漢方処方 胃弱/下痢/軟便

加味平胃散はこんな人に効きます

更新日:

湿邪という外部からの影響で胃腸が弱くなってしまう、それを改善するのが加味平胃散です。胃がポチャポチャする、食欲不振、全体的に重い、といった胃腸症状を改善します。

症例:食欲不振・胃の不快感(70代女性)

体格が細いご高齢の方、女性。猛暑のため水をたくさん補給していたら胃がなんとも言えない水っぽい感覚に。下痢が続き食欲も無いため、病院を受診したが整腸剤だけ処方されて・・・、ということで来局されました。

夏場の暑さでは体力低下のお悩みも多いですが、こうした水による胃腸機能低下のお悩みもあります。

※ 体力低下の場合は麦味参顆粒をお勧めしています↓↓↓↓↓↓

麦味参顆粒はこんな人に効きます

麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)は好きな処方の一つなのですが、今まで記事を書いていなかったようで、今更ながら書いています ...

続きを見る

漢方では余分な水(体に不必要な水)を「湿邪」と呼びます。ご家庭でも排水口に溜まった水は・・・いやーな感じですよね。「邪」という言葉がぴったりです。

この女性の場合は、水の取り過ぎに加えて、素麺やうどんなどの水っぽい食事が多かったようで。逆流性食道炎の予防で制酸剤(タケプロン)も服用していました。胃酸も薄まって、これまで以上に消化が出来なかったのでしょうね。

加味平胃散と○○という2種類の処方をお勧めして生活養生をお話しして、お帰りになられました。次回ご来局頂いたときから、調子が良く浮腫もなくなった~とのことで、その後はずーっと長く愛用していただいております。季節で少し処方を加減しますが、もう5年以上になります(^-^;;;;

症例:合コン前の男性(大学生)

珍しい相談です。20代のがっしりとした体格の男性が来局し「今から合コンなんですが、とても酔いやすくて・・・二日酔いにならない漢方ってありますか?」とのこと。

う~ん、と考えて。黄連解毒湯と加味平胃散を数日分お渡ししました。連絡が無かったのでしばらく忘れていたのですが、後日、友達の分も購入して帰られました(^-^;;;;

この組み合わせ、私自身が考えたわけで無く。東京の漢方薬局に勤めていたときですが、某先生が飲み会前になるとコソコソっと漢方薬を飲んでいまして。「先生、何を服用されているんですか?」と伺ったところ「黄連解毒湯と加味平胃散」をこそっと見せてくれました。

また、ある別業界の知り合いですが「飲んだ後はタケダ漢方胃腸薬K末が良く効くんだよ~~!」といってました。これは「香砂平胃散加芍薬」つまり平胃散の成分が入っています。

平胃散は湿邪を抜く処方ですから、、、飲み過ぎたお酒も「湿邪」と考えるんですね(^-^;;;; 飲む量は邪気にならない程度、ほどほどで。

ウコンがいいの?宴会続きの12月、お酒を飲むときのお供(の漢方薬)

12月、宴会シーズンが始まると「お酒のときの漢方薬下さいー」や「飲み過ぎのときの漢方はありますか?(青い顔)」というご相 ...

続きを見る

加味平胃散はこんな処方です

ベースとなっている平胃散、これには脾胃の湿邪をしっかりと取りのぞき、悪心・嘔吐・下痢を改善、脾胃の機能を立て直すのが目的です。邪気を取り除く、つまりは「胃腸の除湿器」みたいなものです。

湿邪の原因は上記のような多めの水分・酒だけでなく、生もの・刺身・アイスクリームといった冷食、消化しにくいもの、も含まれます。

効能効果

体力中等度で、胃がもたれて食欲がなく、ときに胸やけがあるものの次の諸症:急・慢性胃炎、食欲不振、消化不良、胃腸虚弱、腹部膨満感(松浦薬業)

なんとなく上記のような効能効果では胃腸虚弱にすべて効くように思えますが、実際は「湿邪」に絡む症状に効果があります。中医学では湿滞脾胃(しつたいひい)、湿困脾胃(しつこんひい)と呼ばれます。こちらのほうがイメージをつかみやすいですね(^-^;;;;

湿邪で起こる症状は?

湿滞脾胃はわかったけど、じゃぁ実際どんな症状が起こるのよ?と言われると、、、。湿によって脾胃の気の流れが阻害されるので「上腹部膨満感、胃もたれ、食欲不振(なんとなく食べられない)、吐き気、嘔吐、腹痛(重い)、呑酸(酸っぱいものが上がってくる)、胸のつかえ、咳、動悸、味覚異常」など。

湿は重い性質を持つため「疲労感(なんとなくだるい)、手足のだるさ(むくみ、なんとなくぽってりしている)、体のだるさ、眠くなる、下痢をする(軟便気味)、オリモノが多い」などが起こることもあります。

すべて起こるわけではありませんが、こんな感じです。

処方構成

加味平胃散(蒼朮・厚朴・甘草・生姜・大棗・陳皮)+(神麹・麦芽・山楂子)は平胃散の6種類の生薬の組み合わせに、3種類の生薬を加えて合計9種類の生薬で成り立っています。メインの組み合わせが「蒼朮・厚朴」。湿を乾かし脾胃を元気にする組み合わせです。

蒼朮 辛・苦、温 燥湿・健脾
厚朴 辛、温 行気
甘草 甘、平 益気和中
生姜 辛、微温
大棗 甘、微温
陳皮 辛・苦、温 理気和胃
神麹 辛・甘、温
麦芽 甘、平
山楂子 酸・甘、微温

引用:中医臨床のための中薬学

なぜ加味しているのか

神麹・麦芽・山楂子という消導薬(消化を促進する生薬)を加えることで、弱った胃腸を助けています。神麹・麦芽・山楂子といえば、晶三仙ですね!

併用処方とは?

平胃散は基本的な処方のため色々な処方と組み合わせます。熱傾向があれば黄連解毒湯や、貧血傾向があれば帰脾湯と組み合わせたり、ストレスがあれば逍遥丸を加えたりと症状によって加減されています。ご相談ください。

  • この記事を書いた人
youz

ゆうき先生

大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

-漢方処方, 胃弱/下痢/軟便
-

Copyright© 福田漢方薬局|漢方家族.com , 2018 All Rights Reserved.