こどもの「とびひ」の治療法

夏のご相談で「保育園児や幼稚園児」「が急に広がってきた」となるとだいたい「とびひ(伝染性膿痂疹)」を疑います。皮膚を見せていただいて「赤い皮膚に、くらげの頭のような水ぶくれ」「ぐちゅっとした掻き壊したようなカサブタ」があれば「とびひ」の可能性が高く、近くの皮膚科を紹介させていただいています。初期がもちろん治りやすいので、ぜひ下記のような症状があれば、すぐに皮膚科を受診してください。

とびひの写真/ちかかね皮膚科さん
とびひの写真/たんぽぽこどもクリニックさん

病院での治療方法

 ペニシリン系やセフェム系の抗菌薬を内服します。有効であれば急速に改善しますが、水疱性膿痂疹の場合は軽快後も2〜3日間は再発しないように内服します。痂皮性膿痂疹では腎炎の発症予防のために10〜14日間の内服が必要になります。
 抗菌薬を含有する塗り薬が有効な場合があります。抗菌薬の内服を行う場合では、亜鉛華(あえんか)軟膏などを貼ってガーゼでおおうことで、ほかへの伝搬を防ぐよう努めます。入浴は制限せず、泡立てた石鹸で病変部をこすらずにていねいに洗い流します。引用:伝染性膿痂疹(とびひ)<子どもの病気>

治療方法は1抗菌剤(外用)2抗菌薬(内服)3かゆみ止め(ひっかくのの防止)の3つです。最初に使われる外用薬の抗菌剤としてフシジンレオ、アクロマイシン、アクアチムがあります。皮膚症状が重度になると、セフェム系・ペネム系の内服薬(抗菌薬)が使われるのですが、最近では耐性菌の問題もあり、ホスミシン、ユナシン、クラバモックス、バクシダールなどが使われます。

漢方での治療

漢方のサイトなので、漢方のことも。とびひは今に始まったことではなく、昔からあった症状です。漢方にも外用薬があり、軽い化膿性の皮膚疾患なら、良く効いたりします。抗菌作用のある生薬を使った軟膏が使われていたようで、

軟膏剤:
・黄連粉10g、ワセリン10gを黄連軟膏として。 
・紫根6g、当帰30g、大黄粉4.5g、黄蝋120g~180g、ごま油480mlを混合。
・黄柏粉3g、青黛粉3g、石膏30gをごま油で練って。 引用:皮膚科の漢方治療 中島一著

と色々な処方があります。私も昔に板藍根、青黛粉、亜鉛華軟膏を混合したこともありますが、皮膚疾患に良く効いていました。ただ、混合は手間がかかるため、なかなかやってくれる薬局さんはないかもしれません(^-^;;;

現在、市販としては抗菌力のある「黄柏末」を使ったベルクミン(松浦)という外用薬があります。常時在庫を置いていますので、お問い合わせください。効能効果として「ヤケド、外傷、切れ痔、疣痔のいたみ、かゆみ、はれ、出血、ただれの緩和、おでき、湿疹、カブレ、ただれ、あせも、かゆみ、ひび、しもやけ、あかぎれ」となっています。参考:日経DI 2014.06 

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この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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