肌が白い方の中でも「健康的に白いタイプ」と「病的に白いタイプ」の二通りが存在します。その違いについて、漢方的に説明したいと思います。
皮膚は直径5~10μmの毛細血管が集中している場所。動脈で運ばれた栄養や酸素がこの毛細血管を通して細胞に供給されます。
この毛細血管の働きを支えているのは、血液と、血の流れです。十分な動きがあり働いていれば「健康的な肌の色」に、逆に働いていない状態はくすんだ病的な色と感じます。
では、「働いていない状態」とはどういうことでしょうか。
漢方では大きく、血虚・瘀血の2つの体質に分けます。
肌が「青白い」タイプ:血虚(けっきょ)
過労や内臓機能の低下、栄養不足といった色々な原因で血が少ない状態。これを「血虚(けっきょ)」とよんでいます。
「クスミ肌」タイプ:瘀血(おけつ)
緊張やストレス、食生活や睡眠不足といった原因で血流が悪くなったことを「瘀血(おけつ)」といいます。
瘀血・血虚の改善には、「補と通」が基本です。少なくなった血を補い、滞った血流を通じさせます。
ただ単に「西洋医学での検査に引っかからない」のは数値が幅広かったかなにかで。実際には病気に向かって進行中です。これを「未病」と呼び、さらに「未病の瘀血」「未病の血虚」となります。
瘀血、血虚?自分の体質を知るセルフチェック表
上記のチェックシートで、いずれかの項目が3つ以上当てはまると、瘀血や血虚の体質の可能性があります。もちろん、重複する場合(血虚&瘀血タイプ)もあります。
血虚タイプにおすすめの処方
食事は、えぴやトマト、人参、赤ピーマンなどの赤い野菜や、レバー、魚、卵、鰻などの高タンパクで鉄分のとれるもの。サプリメントなら、鉄サプリなどがありますが、これは胃もたれに注意。
「紅沙棘」、沙棘の果実からとれるオイルなら胃もたれはほとんどありません。
漢方処方としては、婦宝当帰膠、当帰芍薬散、など補血の処方が有効です。
瘀血タイプにおすすめの処方
瘀血タイプは一言で言えば「血行循環が悪い」タイプ。
女性の場合には、特に「肩こりが酷かった」「生理痛が酷かった」というタイプに多くなります。瘀血は筋腫や腫瘍などの「シコリ」、頭痛や、生理痛、関節痛などの「痛み」、シミやクマなどの「黒ずみ」を三大特徴と考えます。
「20代は生理痛が最悪だったけど、40代に入って、生理痛が軽くなったよ?」という方。
改善したと喜ばれる場合はもありますが。生理にでる「血の量」も少なくなった「血虚&瘀血タイプ」に移行してきた可能性があります。要注意ですよ?
食事は、サバやイワシなどの青魚。サプリメントはEPA・DHAなどもいいですね。ニラやトマト、黒酢、赤ワインなどもいいです。
漢方処方としては、冠元顆粒、桂枝茯苓丸、桃核承気湯などの処方が有効です。
お茶は、バラ茶・ウコン茶・プーアル茶など。半身浴や、軽めのウオーキングなどもいいですが、無理な運動は避けましょう。
※参考:クロワッサン2006年9月特大号 40歳からでも取り戻せるほんとうの素肌美。より