イスクラ産業さんの杞菊地黄丸には顆粒や蝋皮丸など、色々な形があります。「どれでも一緒ですか?!」というご質問をいただくことがありますので、解説の記事を書きました。

杞菊地黄丸の種類
発売されてる杞菊地黄丸の剤型は3種類有ります。丸剤・蝋皮丸(蝋の皮に包まれている大きめの丸剤)・顆粒剤の特徴を(私見も交えて)解説していきます。
丸剤の特徴
写真の一番左。中薬杞菊地黄丸は昔からある丸剤です。1970年代頃から発売されていて、何回か製造工場を変えつつリニューアルしています。(当薬局の場合は)丸剤の使用率が高いです。一丸のサイズは6mmぐらいで飲みやすいサイズです。
杞菊地黄丸というように、この丸剤が基本となります。
蝋皮丸の特徴
杞菊地黄丸(蝋皮丸)はハチミツで練った状態。比較的高価な製品ですが、効果も高いです。
生薬量は中薬杞菊地黄丸の倍ですが、それ以上の効果を感じます。そのまま噛んでもいいですし、はさみで切りながら服用してもいいです。
蝋皮丸にすることで、保存性が良くなるとか、揮発する成分を押しとどめる作用があるとか、吸収が良くなるとかいわれています。ゴロンと丸くて大きな形状で、見た感じも効きそうです。
顆粒の特徴
右側の双料杞菊顆粒、こちらは顆粒剤です。最近では病院でも薬局でも顆粒剤がメインになりました。サラサラと手軽に飲めて便利なのかと思います。
杞菊地黄丸シリーズ一覧表
製品名 |
イスクラ
中薬杞菊地黄丸 |
イスクラ
杞菊地黄丸 |
イスクラ
双料杞菊顆粒 |
服用量 |
1日24丸 |
1日2丸 |
1日3包 |
性状 |
小粒 |
蝋皮丸 |
顆粒 |
特徴 |
生薬粉末剤 |
生薬粉末剤
ハチミツで
練っている |
生薬エキス剤 |
含有量 |
地黄 1.2g
山薬 0.6
沢瀉 0.45
山茱萸 0.6
茯苓 0.45
牡丹皮 0.45
菊花 0.3
枸杞子 0.3 |
2.86
1.43
1.07
1.43
1.07
1.07
0.71
0.71 |
6.06
3.02
2.25
3.02
2.25
2.25
1.51
1.51 |
発売時期 |
1989年以前~
2009年リニューアル |
1975年~
2010年に改名 |
2011年 |
金額(税抜 |
360丸3800円
720丸7000円 |
10丸入3400円
30丸入9710円 |
90包7900円 |
ここがポイント
表の左端の「中薬杞菊地黄丸」と右端の「双料杞菊顆粒S」の含有量を比較するとなんと4~5倍の違いがあります。じゃぁ効果は4~5倍も違うの?と思いますが、、、。漢方の場合特殊な事情があります。
「生薬粉末」は生薬を破砕して粉末にしており、「生薬エキス剤」とはグツグツと煮詰めてエキスにしたものをインスタントコーヒーのように顆粒状にしています。作り方が違いますので、含有量と同じだけ効果に差があるともいえません。
イスクラ杞菊地黄丸(蝋皮丸)はナツメの蜂蜜を使って伝統的な製法で練られています。ハチミツ・ナツメは胃腸を補うと言われています。個人的には、油分が飛ぶのを防いだり、保存性をさらに良くする効果があると考えています。
店頭での個人的な感覚で、効果としては「中薬杞菊地黄丸≦双料杞菊顆粒<杞菊地黄丸(蝋皮丸)」の様に感じます。
杞菊地黄丸や八味地黄丸など地黄を使った補剤は他の処方に比べて胃腸にもたれやすいです。丸剤や蝋皮丸にすることで、胃腸にもたれにくくなると言われています。長期的に効果が出てくる処方なので、含有量云々よりもそうした特徴が、好まれているのかもしれません。
結局ですが「気に入った剤型がベスト」という結論になります(^-^;;;
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イスクラ 漢方解説
中薬杞菊地黄丸と双料杞菊顆粒の違いに納得!補腎の処方です
イスクラ産業さんの杞菊地黄丸には顆粒や蝋皮丸など、色々な形があります。「どれでも一緒ですか?!」というご質問をいただくことがありますので、解説の記事を書きました。
杞菊地黄丸の種類
発売されてる杞菊地黄丸の剤型は3種類有ります。丸剤・蝋皮丸(蝋の皮に包まれている大きめの丸剤)・顆粒剤の特徴を(私見も交えて)解説していきます。
丸剤の特徴
写真の一番左。中薬杞菊地黄丸は昔からある丸剤です。1970年代頃から発売されていて、何回か製造工場を変えつつリニューアルしています。(当薬局の場合は)丸剤の使用率が高いです。一丸のサイズは6mmぐらいで飲みやすいサイズです。
杞菊地黄丸というように、この丸剤が基本となります。
蝋皮丸の特徴
杞菊地黄丸(蝋皮丸)はハチミツで練った状態。比較的高価な製品ですが、効果も高いです。
生薬量は中薬杞菊地黄丸の倍ですが、それ以上の効果を感じます。そのまま噛んでもいいですし、はさみで切りながら服用してもいいです。
蝋皮丸にすることで、保存性が良くなるとか、揮発する成分を押しとどめる作用があるとか、吸収が良くなるとかいわれています。ゴロンと丸くて大きな形状で、見た感じも効きそうです。
顆粒の特徴
右側の双料杞菊顆粒、こちらは顆粒剤です。最近では病院でも薬局でも顆粒剤がメインになりました。サラサラと手軽に飲めて便利なのかと思います。
杞菊地黄丸シリーズ一覧表
中薬杞菊地黄丸
杞菊地黄丸
双料杞菊顆粒
ハチミツで
練っている
山薬 0.6
沢瀉 0.45
山茱萸 0.6
茯苓 0.45
牡丹皮 0.45
菊花 0.3
枸杞子 0.3
1.43
1.07
1.43
1.07
1.07
0.71
0.71
3.02
2.25
3.02
2.25
2.25
1.51
1.51
2009年リニューアル
2010年に改名
720丸7000円
30丸入9710円
ここがポイント
表の左端の「中薬杞菊地黄丸」と右端の「双料杞菊顆粒S」の含有量を比較するとなんと4~5倍の違いがあります。じゃぁ効果は4~5倍も違うの?と思いますが、、、。漢方の場合特殊な事情があります。
「生薬粉末」は生薬を破砕して粉末にしており、「生薬エキス剤」とはグツグツと煮詰めてエキスにしたものをインスタントコーヒーのように顆粒状にしています。作り方が違いますので、含有量と同じだけ効果に差があるともいえません。
イスクラ杞菊地黄丸(蝋皮丸)はナツメの蜂蜜を使って伝統的な製法で練られています。ハチミツ・ナツメは胃腸を補うと言われています。個人的には、油分が飛ぶのを防いだり、保存性をさらに良くする効果があると考えています。
店頭での個人的な感覚で、効果としては「中薬杞菊地黄丸≦双料杞菊顆粒<杞菊地黄丸(蝋皮丸)」の様に感じます。
杞菊地黄丸や八味地黄丸など地黄を使った補剤は他の処方に比べて胃腸にもたれやすいです。丸剤や蝋皮丸にすることで、胃腸にもたれにくくなると言われています。長期的に効果が出てくる処方なので、含有量云々よりもそうした特徴が、好まれているのかもしれません。
結局ですが「気に入った剤型がベスト」という結論になります(^-^;;;
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ゆうき先生(福田優基 薬剤師[pharmacist]/国際中医師)
漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。
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