中学生や高校生のご相談もありまして、多いのが下痢や腹痛、あと眩暈やら。ざっくりとお話しすると現代の子供は「冷たい飲み物や食べ物が大好き」なので胃腸を痛めやすい、うまく胃腸を養えていないのが原因かと思います。
こういった症状は、一時的に治ったと思ってもすぐに再発します。また、緊張によって悪化する子供もいたりして、特にお母さんから「あの~じつは・・・」とご相談を受けます。
中学生が困ったのは?
受験勉強をしていると下痢をする、お腹が痛くなるとの相談がありました。高校受験前の8月で。上位校を目指していたのですが、勉強をし始めるとだんだんとお腹が痛くなる。トイレに行くと軟便がでて、また次の授業の後半になるとお腹が痛くなる。
こう、授業に「集中できない」んですね。昔から軟便傾向だったらしいのですが、ここ最近、酷くなってきたとのこと。
こういったご相談はプレッシャー(ストレス)によるものが大半ですが「手足がだるい、手足が火照る、口が渇くけれどもあまり水を飲まない」という小建中湯の証もあったため、お話をよく聞くと緊張だけというわけでなく元々の体質もあったようです。小建中湯と別の処方を加減してお勧めしました。
その後しばらくしてお腹の調子も良くなり、勉強に集中できるようになりました。志望校に進学後、今でもその処方を継続しています。
大塚敬節先生の傷寒論解説(第五十六章)の臨床応用に、こう書かれています。
体の虚弱な児童は風邪を引いても小建中湯証を呈するものがある。熱があるのに脈が浮にならない。頭痛の代わりに腹痛を訴えたりする。風邪ばかりひいて困るという児童に小建中湯を数ヶ月続けて飲ませたら血色も良くなり風邪を引かなくなったことがある。
また大塚敬節先生は次の章の解説で「風邪を引いて、漢方の治療もしていないのにすでに心悸亢進しているということは、元来その人が平素が虚弱であるためで、まずはその虚弱を補わなければならない」と書かれています。(意訳)
確かに、体の弱い児童で風邪気味の場合。葛根湯や市販の風邪薬を飲ませたい、ところですが、小建中湯や衛益顆粒をベースにして板藍茶などを加え汗をだしゆっくりと寝る。これでよい効果が出ています。体質的な虚弱があれば無理はしないこと。そして、ではありますが改善するべきは「冷たい飲み物」。取りすぎはやめた方がいいです。