ニキビと偽ニキビ、漢方での改善方法

ためしてガッテンで「治らないニキビの正体(2014年8月)」というタイトルで放送がありました。ニキビだと思って治療していても治らない、保湿していたら増えてしまった偽ニキビの話です。面白かったので紹介と、漢方的な対処方法について説明します。

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上の写真は、ニキビ、偽ニキビどちらでしょうか?30代女性で、写真ではわかりやすいように強調していますが「頬のあたりにプツプツとあり、触ると若干コリコリ」するらしいです。ポツンと盛り上がった頭のあたりに少し白い膿をもっています。・・・とここまでくれば、ニキビですね。皮膚科にて治療をするのですが、月経前になると必ず2~3個は出てくるとのことでご相談にこられました。

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ニキビの対策

男性・女性ともに多い正真正銘のニキビ(尋常性ざ瘡)は、20代まではホルモンにより脂質分泌が進み起こります。30代を超えてくると逆に角質(皮膚の)の乾燥によって毛穴がふさがれて起こります。もちろん、それだけでなく、女性の場合はホルモンバランスで、ストレスや睡眠不足、食生活などでも悪化します。

病院でのニキビの治療は塩野義製薬のホームページが詳しかったです。肌が赤くえぐれるような重篤な場合はニキビ以外の可能性も考えますので漢方の前に皮膚科を受診してください。

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偽ニキビ1:マラセチア毛包炎(癜風菌)

ためしてガッテンでは「ニキビの治療薬でアクネ菌は死んでしまったけれども、常在菌(癜風菌:でんぷうきん)が逆に繁殖してしまった」と説明していました。脂質を食べて増えるのは、アクネ菌だけでなく色々な菌があります。その一種であるマラセチア毛包炎は「背中とか首筋とかにポツポツ~と10個ぐらいが一気に」出来ます。水着が着れない、目立つので嫌、女性の場合は特にそういった悩みがあります。

アクネ菌も癜風菌もどちらも普通に皮膚にいる菌ですが、皮膚の脂肪など何らかの原因で増殖して症状が起きます。赤くて酷くて痛い場合は抗真菌薬などで治すのもいいのですが、時間が経つとまたぶり返します。脂質がたまりくい、ニキビの出来ない肌にしていくのは漢方の得意分野です。

漢方での対処方法

漢方ではニキビなど皮膚の発疹は体内に熱がこもることによって起こる皮膚の炎症と考えます。お話ししたとおり、20代以降は様々な要因が絡み合って、それが「熱」になり皮膚に出てくると考えます。出来る場所によって原因が違い、また(洗顔は泡立てて・皮膚の保湿・食事の改善など)生活習慣の改善を組み合わせて解決します。

体質にはざっくりと分けても「肺に熱がこもりやすい(肺系)」「イライラストレスが溜まるタイプ(肝系)」「便秘気味で毒素をためやすい(脾胃系)」「血行不良タイプ(瘀血)」などがあります。(下記表参照)

肺に熱がこもりやすいタイプ:
額や眉の間に出来る、白く小さなニキビ、煙草を吸うことが多い、辛いものが好き、口が渇きやすい
イライラやストレスが溜まるタイプ:
こめかみから耳の前にかけて出来る、赤いニキビが出来る、生活が不規則で慢性的な睡眠不足、イライラすることが多い、シミが出来やすい
便秘気味で毒素をためやすいタイプ:
頬やフェイスラインに出来やすい、黄色く膿むようなニキビ、便秘がち、お酒や甘いものが好き、脂っこいものが好き
血行循環不良タイプ:
あごや口や首や鼻の下に出来る、冷え性、生理不順、生理前などに出来やすい、芯がある紫色のニキビ

漢方では皮膚と臓器は密接に関わり合っていると考えています。漢方は一つの症状だけを改善するわけではありません。全体のバランスを整えることが大切です。

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 偽ニキビ2:扁平ゆうぜい

一見すると「ニキビ?ほんとうに出来てるのかなー」という肌の色に近いニキビの話です。触るとだんだんと増えてしまうニキビということでした。実際にニキビというほど盛り上がっているわけではなく、シミが盛り上がったように楕円形をしていたりします。これは、実はニキビではなく扁平(へんぺい)ゆうぜい。イボの一種です。ニキビにありがちな「触るとチクチクするような痛みや痒み」はありません。

ただ、ウイルスが原因ですから、触ったりするとだんだんと広がります。イメージとしては水いぼと一緒です。ためしてガッテンでは「ニキビだと思ってベタベタ保湿クリームを塗ったり」「気になって顔を触ったり」することで広がっていく、と伝えていました。

こういったウイルスの病院の治療法としては「液体窒素による冷却」。これも水いぼと一緒です。ただ、子供でも痛くて逃げ回りますし、完治まで結構な回数通う必要があります。スポット的なもの、ならいいのですが。

20代の女性、顔を洗うたびにニキビが気になる

赤くなって本人も気にしていたもの(本人はニキビと思っていた)もヨクイニンや五行草茶・板藍茶などを併用することで改善した例もあります。日常の対処法としては、タオルを共用しない。手を小まめに洗う。そういったことが大切です。 あと、男性の場合では「ひげそりでも増殖する」ので注意ということでした。

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この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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