アトピー、掌蹠膿疱症

消風散(しょうふうさん):痒みを止めて身体を養う欲張りな処方

皮膚のご相談を色々といただきます。最初はみなさん皮膚科に行かれるのですが、何回か繰り返して「他の人と違って、体質的に皮膚に症状に出やすいのかな?」と思い始めると、お電話などでご相談頂くようです。漢方の場合、ステロイドなどよりもゆっくりと効きますので、酷い時期よりもある程度落ち着いた時期から始めた方がいいとは思っています

基本的な体質として大きく分けて「1 胃腸虚弱で水分代謝が悪いタイプ」「2 体質が虚弱で皮膚に熱がこもってしまったタイプ」がよく見るように感じます。1は胃腸からしっかりと立て直すこと、2のタイプは温清飲などの処方を検討しています。何が原因かは人それぞれですが、皮膚の全体的な症状が悪化し、痒みがあり、夜に眠れない、そういった場合にも使えるのが消風散という処方です。

消風散は「防風・荊芥・牛芳子・蝉退・荊芥・防風・石膏・知母・苦参・白朮・木通・地黄・当帰・胡麻」と多くの生薬からできている処方で、湿疹、じんましん、アトピー性皮膚炎などの強く痒みを伴う慢性の症状、痒みを止めて体を養うという欲張りな処方構成です。

痒みは夜強くなりやすい。地図状に赤くなる場合も多い。じんましんや湿疹でも白いものや熱感がないものに消風散は効かない。(中略)臨床応用範囲は、じんましん、アトピー性皮膚炎、皮膚掻痒症、汗疱、白癬、その他各種湿疹や皮膚炎で、風湿熱、風疹、湿疹の兆候を呈すものである。日経DI 2014.01 PE014

急に痒くなったり、痒みが強かったりという「風邪」と「熱邪」「湿邪」が合わさったような場合に使い、もちろん他の処方と一緒に使うこともあります。2014081603

頭の湿疹で消風散を

75歳女性、顔の上部から髪のあたりにかけて湿疹ができる。ある病院に受診したところ脂漏性湿疹とのこと。リドメックローション、ニゾラール(ステロイドと抗菌剤)を処方される。痒みは治まったが、赤みが取れない。薬を中止すると痒みがでてくる。なんとかしたくて相談した某薬局で八味地黄丸を処方されたところ、痒みが悪化した。

ある天気のいい秋の日に、「いいシャンプーありませんか?」とご来店されました。お話を聞くと、湿疹が治らないとのことだったので「髪染めかなー」とは考えたのですが、髪染めはしていない。ただ湿疹以外の部分は乾燥感が酷かったので、低刺激のオードレマンDシャンプーと一緒に消風散と別の処方をお勧めしたところ、半月後には「痒みと赤みが無くなりました!」と喜んでご来店頂きました。その後、見た感じではもう少し改善できそうなので、別の処方を半年ぐらい継続しました。Dシャンプーは今でも愛用してもらっています。

乾燥すると悪化するタイプには消風散はNG

Yahoo知恵袋を見ていたらこんな質問がありました。

5日前に皮膚科にてツムラの消風散を処方してもらいました。もともと肌が弱く、体がすぐ痒くなり軽度のアトピーです。(中略)飲んで三日後ぐらいから大きなニキビが顔中できはじめました。場所はアゴ、ほっぺ、おでこ、頭皮、。すべてのニキビが大きく芯があるかんじでつぶすと白っぽいものがでてきます(涙)(中略)私はもともと乾燥するとニキビができる体質なのでできたのかもしれません。あと漢方をやめたら一気にニキビがひいていきました(驚)Yahoo知恵袋より

消風散は体の湿気を乾燥させる処方なので、余計に体の乾燥が強くなってニキビができたのでしょう、こういったタイプは体質改善として別の潤すような処方を使います。漢方でもうまく使わないと、思っていたことと逆の症状が出ることがありますので気をつけましょう。

参考:日経DI2014.01 漢方のエッセンス消風散、中成薬研究、小太郎製薬漢方ニュース

  • この記事を書いた人

ゆうき先生

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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