アトピー、掌蹠膿疱症 イスクラ 水虫 漢方解説

【華陀膏Y】最新の水虫薬よりも漢方の水虫薬が使いやすい理由

5月から7月頃になると水虫のご相談をいただきます。どうしても蒸れる時期に思い出すんですよね。あー、あんな薬使ったなって(^-^;;;

華陀膏の効能効果

華陀膏の効能効果です。

効能効果

みずむし、いんきんたむし、ぜにたむし

当たり前ですが「水虫」に効果があります。べちょべちょの水虫では使いにくく、カサカサの水虫です。カチカチ・ガサガサに角質化しているものだとなお良し。足の踵などですね。ツルツルになりますよ。この華陀膏は一般的に想像される抗真菌薬(水虫の薬)とはちょっと違います。のちほど説明します。

いんきんたむし

「いんきんたむし」は股間の部分に出来る「水虫」です。男性で特にデスクワークや運転手さんなど座り仕事の多い、股間部が蒸れやすい状態で起きます。例えばですが、

  • 股のあたりに強い痒みがある(お風呂の後など体が暖まると痒みが強くなる)
  • 円状に広がっており、健康な皮膚との境目がはっきりしている(ラインを引くように境界線が赤くなる)
  • 陰嚢やペニスには症状がない

上記の3つに当てはまれば、いんきんたむしの可能性が高いでしょう。股の左右・内ももにかけてが多いです。華陀膏をべったりと塗ってあげるといいでしょう。水虫薬はどれでもですが、つけてすぐに改善しません。痒みがとれるのにもしばらくかかりますので、地道な努力が必要です。

ところで、いんきんたむしは「陰嚢・ペニス・ペニス裏」には症状が出ません。「水虫かな?」と判別がつかない時は泌尿器科を受診してください。店頭での感覚として、陰嚢あたりが激烈に痒くなるとケジラミもあり、ペニスが痛い・灼熱感があれば性病や尿道炎、他にも接触性皮膚炎、会陰部から肛門のあたりだとギョウ虫の可能性もあります。

それ以外の使い方(応用編)

汗疱・乾燥性湿疹・掌蹠膿疱症・掌蹠角化症・アトピー性皮膚炎など角質が硬く乾燥している症状に効果があります。これらの症状は「尿素配合クリーム」や「サリチル酸ワセリン軟膏」を使って治療します。

「サリチル酸ワセリン軟膏」・・・そう華陀膏の成分です。さらに安息香酸は抗菌+かゆみ止めとしても使いますし、カンフルもかゆみ止めとして使いますから、夜のうちに塗布しておくとちょうど良く改善してくれます。軟膏なので保湿効果も強いですし、踵や手の角化症の治療薬、尿素配合クリームの副作用でピリピリして使えない方もおられますから、その代用としても優秀です。

水虫の薬ですが、ネットで検索すると、洗剤による手荒れや主婦湿疹などにも効果があると書いているいくつかのブログを見かけたので、購入しました。
手の荒れたところに塗ってみると、痒みが収まり、ジュクジュクがましになりました。完治まではしなかったですが、私には、ステロイド以外の薬では効いたほうだと思います。漢方薬独特のきつい匂いがします。りらくまプーさん 41歳 @コスメ

 

華陀膏の使い方(塗布するポイント)

用法用量は1日2回の塗布です。患部を温水などで綺麗に洗ってから、朝と夕で塗布します。入浴後だと角質がふやけて浸透しやすいので、入浴後に塗るといいでしょう。患部よりもちょっと広めに塗布します。

軟膏ですから服について汚れる事があります。患部にガーゼを当てるか、華陀膏用の靴下を作るか。べとっとするぐらい厚めに塗ってビニール袋をかぶせてその上に靴下をはくと効果アップですが、滑って転けないようにご注意ください。

べとつきが気になる場合は、すり込んだ後に軽く紙で拭き取ります。その上に、シッカロールをはたくとべとつきはほとんど無くなります。

華陀膏の副作用

具体的な統計の論文は見つからなかったのですが

「華陀膏」(投与群の103例中)1例に、使用後に軽度の紅斑、浮腫および灼痛の症状が認められ、投与中止後に症状が消失した。(華陀膏による足白癬の治療効果における臨床観察)

との表記がありました。上記では1%ぐらいですが、店頭でも時々「華陀膏で痒みが酷くなった」という方はおられます。サリチル酸を使っているので通常でも「ピリピリ」ぐらいはするのですが、どうしても体に合わないんでしょうね。中止をして数日経てば治ることが多いですし、どんな薬を使っても合う合わないはあります。

あと、店頭ではこのあたりも注意喚起しています↓↓↓

注意ポイント

  • 異常があればすぐに中止(繰り返し試さない)
  • 傷のある部分や割れて血が出ている部分に使わない
  • とんでもなく腫れている(急性期)ときは使わない

ご注意くださいね!

こんな時は病院を受診します

華陀膏を使う使わないではなく、水虫薬全体の問題ですが、

  1. ダラダラと汁が垂れている水虫
  2. 水虫の薬をつけているのになかなか治らない(痒みも治まらず腫れている)

こんな場合は、皮膚科の受診をお勧めします。1は、ほぼ水虫に加えて二次感染を起こしています。汁とともに患部に腫れや痛みが出てきますので、病院で細菌感染の治療を。2は、水虫薬にかぶれたか水虫ではなく別の病気かもしれません。一度水虫薬を中止して、病院を受診しましょう。

ちょっと詳しく、なぜ華陀膏をお勧めするのか

▼▼▼折りたたんでいますのでクリック▼▼▼

ドラッグストアに行くと「○○世代の!」「最新の処方、新発売!」とか毎年見ませんか?

「画期的に効果がある!」と思ってしまいますが、毎年、新成分が開発されているわけでもなく、真菌に対してはすでに70~80%の効果でほぼ変化はありません。あとは添加した成分をちょびっと変更して発売されていたりします。

その有効成分ですが、専門家の中では成分によって3種類に分けて考えます。イミダゾール系(アゾール系)・○○アミン系・モルフォリン系。詳しくはこちらのサイトで(水虫とセルフメディケーション)

こうした抗菌薬の最初、1970年代にイミダゾール系が発売されてから治療方法が画期的に変わりました。色々な菌に効果があり、副作用が少ない、とても優れた処方です。

イミダゾール系以前の抗真菌剤としては、ヨードチンキやサリチル酸などが使われていたんですが、ほぼ駆逐する勢いで切り替わりました。

ただ、前世代の遺物といわれつつもサリチル酸は生き残っています。なぜか。たぶん、皮膚の軟化作用があるからだと思います。軟化させて、浸透して、ケアにも使えるんですね。

適度な刺激(ピリピリ感)が逆に痒みを抑えているのかもしれません。華陀膏とイミダゾール系の水虫薬を比べてみて、ほぼ有効率は変わらないという論文もあります。実は水虫・角化症とどちらにも効くからかもしれません。

すべての方にお勧めとはいいませんが、もし水虫薬のチョイスで困っていたら。華陀膏を選択肢の一つとして考えてもいいかなと思います。

華陀膏がリニューアル(新旧比較)

華陀膏はイスクラ産業が1966年に輸入して始まりました。それ以降、何回かリニューアルをしています。

華陀膏パッケージ

華陀膏→イスクラ華陀膏→イスクラ華陀膏Yとリニューアルしています。成分も少しずつ変わっていますので、表にしてみました。

製品名 製品情報(成分・添加物)
華陀膏 下記成分及び分量を含有する軟膏です。サリチル酸5% 安息香酸10% カンフル2% 香料 蝋梅油1% 基剤 白色ワセリン80% 白蝋2%
イスクラ
華陀膏
2011~
100g中下記の成分及び分量を含有します。サリチル酸4.8g 安息香酸9.7g dl-カンフル 2.4g ※添加物として黄色ワセリン(基剤)、パラフィン(基剤)及び蝋梅油(香料)を含有します
イスクラ
華陀膏Y
2019~
100g中下記の成分及び分量を含有します。サリチル酸4.8g 安息香酸9.7g dl-カンフル 2.4g ※添加物として黄色ワセリン(基剤)、パラフィン(基剤)流動パラフィンを含有します

特にですが、イスクラ華陀膏とイスクラ華陀膏Yの違いとして。

今までは中国の工場(上海中薬製薬廠)で作られていましたが、日本の工場(株式会社:雪の元本店)で作られるようになりました。

それによって日本では「蝋梅油」が流通していないため使用できなくなり、削除されています。蝋梅油は皮膚の再生を促進する効果もありましたので、少し残念ではあります。

華陀膏の比較

容器サイズは外経で3mm(58mm→61mm)、高さで4mm(23mm→19mm)変化しています。ちょっと大きく薄くなった感じです。

右のリニューアル品は開封後すぐですが、白色の石けんみたい、写真で左の華陀膏と比べるとかなり薄い色になっています。

華陀膏(リニューアル)

触ってみると高級石けんのようなプニッとした手触り。白色ワセリンよりもちょっと硬いですね。伸ばしてみると伸びやすく、べたつきは少なめです。

華陀膏Y

開封後1ヶ月ほど経った華陀膏です。最初の撮影に比べて色が濃くなってきているように感じますが、基剤は黄色ワセリンなので時間の経過でこんな色になります。

臭いも昔の華陀膏に比べると凄く「薄く」感じられます。いいことなのか悪いことなのか。蓋を開けたときに臭ってくる「THE漢方!」というパンチは少なくなりました。

そんな感じの華陀膏ですが、根強い人気のある外用薬です。ぜひ、お使いください。

商品名  イスクラ華陀膏Y
ジャンル 第二類医薬品
効能効果 みずむし、いんきんたむし、ぜにたむし
内容量 20g
商品単価 1000円(税抜)
販売元 イスクラ産業株式会社
摂取方法など 1日2回、朝夕に塗布してください

この商品は店頭のみの販売になります

  • この記事を書いた人
福田優基

ゆうき先生

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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