地黄を含む有名な漢方処方

※※※漢方の実務実習用の資料です※※※

補腎薬は六味丸を基礎としています。八味地黄丸(金匱要略)→六味地黄丸(小児薬証直訣)→知柏地黄丸・杞菊地黄丸・帰芍地黄丸などになりました。その中に含まれる地黄。大切な生薬です。

ゴマノハグサ科の地黄は中国原産の多年草。産地や荒野に自生しています。キンギョソウやジキタリスも同じゴマノハグサ科です。地黄は10月~11月に採取されて根茎を用います。日本では信州が名産地で、今でも製造されています。

水洗いをしたものを生地黄、乾燥させたものを乾地黄、酒などを使って蒸したものを熟地黄と呼びます。生薬は加工法によって効果が変わってきます。こうした加工をすることを「修治」といいます。生地黄は体に生まれた余分な熱を冷ます作用があるため「血熱」の症状によく使われます。下記ならば三物黄芩湯やイスクラ清営顆粒などです。

熟地黄は消耗した血や津液を補う養血滋陰作用や補腎の作用があるため下記の四物湯や十全大補湯などに含まれます。地黄は色々な処方に含まれ人参と同じように重要な生薬です。 

ゴマノハグサ科のキンギョソウ。地黄と同じ科です。

ゴマノハグサ科のキンギョソウ。地黄と同じ科です。

  三物黄芩湯 温清飲 芎帰膠艾湯 四物湯 十全大補湯
主薬 黄芩

四物湯
黄連解毒湯

四物湯 地黄
当帰
四物湯
四君子湯
組成 苦参
地黄
地黄、当帰
黄連、黄芩
阿膠、艾葉 芍薬
川芎
黄耆、桂枝
薬効 清熱、補益 清熱、理血
補益
止血、補益
理血
補益
理血
補益、去寒
鎮暈
 適応 熱証、虚証 熱証、血症
虚証
出血、虚証
血症
虚証
血症
虚証、寒証

引用:イチゲン漢報 298 2014.03、チャイナビュー植物生薬物語27(60)

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この記事を書いた人

福田優基のアバター 福田優基 薬剤師/国際中医師

ゆうき先生:漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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