婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)と養命酒の違い

20代の冷え症に悩む女性から「養命酒と婦宝当帰膠は違いますか?」という質問がありました。

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婦宝当帰膠は養命酒と違いますか?

婦宝当帰膠を服用して2ヶ月ほど。冷えもだいぶと改善されていたのですが、立ち寄ったドラッグストアで養命酒を勧められたとのこと。養命酒も気になっているので、どう違うのか、併用した方がいいのかなど教えて欲しいとのことでした。

養命酒といえば、私たちの世代では「おじいちゃんおばあちゃんのお酒」のイメージですね(最近は若い人へのCMもしていますが)。パッケージを見ると養命酒と婦宝当帰膠、どちらの効能効果にも「冷え性」という言葉が入っています。たしかに効能効果からはどちらも同じモノの様に見えます。

冷え性:一般的な特徴として、身体全体に寒さを感じないが、四肢など部分的に冷えを感じることが多い。原因として、ホルモンの変動とそれに伴う自律神経のバランスの乱れが考えられる。wikipedia

しかし、漢方の立場から、入っている生薬や構成の意味を考えると養命酒・婦宝当帰膠は全く違うモノです。ダブっているところだけ太字にしています。

養命酒 婦宝当帰膠
インヨウカク、ウコン、ケイヒ、コウカ、ジオウ、シャクヤク、チョウジ、トチュウ、ニンジン、ボウフウ、ヤクモソウ、ウショウ、ニクジュヨウ、ハンピ トウキ、オウギ、ジオウ、ブクリョウ、シャクヤク、センキュウ、カンゾウ、党参

漢方的に考える、養命酒と婦宝当帰膠の働き方の違い

簡単な漢方の考え方の図を書いてみました。アルコールランプでビーカーのお湯を温めています。ビーカーの中の水溶液が「気と血」。アルコールランプが「生命の炎(命門の火)」です。

「気と血(特に血)」が少なくなると全身にエネルギーが行き渡らずに冷えが起こります。ここを増やすのが婦宝当帰膠です。

アルコールランプの火が小さくなっても冷えは起こります。高齢の方の冷え性に多いですね。この火を調節するのが養命酒です。火を調整する処方としてはそれ以外にも、霊鹿参や鹿茸大補丸などがあります。「鹿茸」などの生薬を使います。

こうしてお話ししてみると、婦宝当帰膠、養命酒、違いは大きく感じませんか?

婦宝当帰膠の向く人、向かない人

婦宝当帰膠は上記のように「血」を増やす処方ですから、生理・出産などで血を失いやすい若年~中年の女性にお勧めしたい処方です。この血の不足を漢方の用語で「血虚」というのですが、、、詳しくは別ページに記載しました。参考にしてください↓

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もちろん、若くても婦宝当帰膠が向かない方もおられます。

まずは、アルコールランプの火が小さいタイプ、すぐにゾクゾクと冷えが起こる、お風呂に入っても寒い、手足がずっと冷たい。この場合は、他の処方を併用することが多いです。ストレスが強いなどのタイプは別の処方を併せることが多いです。

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胃腸がかなり虚弱な方、この場合は、胃腸も一緒に治しましょう。胃腸は栄養の取り込み口です。そこが虚弱であれば、折角の処方の効果も半減してしまいます。慢性的な下痢がある場合は、参苓白朮散などの処方を使うとよい場合もあります。

胃が冷える方には、婦宝当帰膠に乾姜末などを溶かし込む事で、どちらも改善する場合もあります。

婦宝当帰膠についてはリンクしていますので参考にどうぞ。

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この記事を書いた人

福田優基のアバター 福田優基 薬剤師/国際中医師

ゆうき先生:漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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