学校薬剤師会のプール管理講座の続きです。その1はこちらから。藻は「特別に身体に悪いもの」ではなく、「自然界に普通に存在するもの」です。大きな問題にする必要はありませんが、ただ対策はしっかりとしておきましょう。
藻が発生する条件として、下記のものがあります。
発生原因:
- 空中の胞子が雨や木の葉についてプールに落ちる。
- プール水が停滞することで、プール壁面に胞子が付く。
増殖要因:
- 水温が25度以上
- 強い紫外線
- 水素イオン濃度が7.6以上
- 残留塩素濃度の低下
- 人体からの栄養分(剥がれ落ちた皮膚・皮脂など)
[2016/10追記]リオオリンピックでプールの水が急に緑になった事件がありました。
後日の説明では、過酸化炭素を投入したと判明。過酸化炭素と(消毒用の)次亜塩素酸が酸化還元反応で、遊離残留塩素が低下して藻が繁殖したとのことです。ほんと数日で藻が大量に繁殖するんですね。
リオ五輪の「緑色のプール」の原因の塩素と過酸化水素水の混合について ←こちらでも詳しく解説されていましたので、ご参考に。
そしてこの事件の発端となった原因が明らかになっています。水の中に藻を発生させ、濁った緑色に変えてしまったのは、プールの管理を請け負っていた地元の業者が投入した「過酸化水素」だったことが判明してきました。
プールの水質を管理するために最も広く用いられているのは塩素系の消毒剤で、これは学校などのプールでも塩素が使われているのをみたことがある人も多いはず。しかし、塩素に過酸化水素を加えると結果的に塩素の効果が弱まり、消毒力が減少するために藻の発生につながってしまったというのが、事件の原因だったというわけです。gigazine
参考:大阪薬剤師会2014/07号