松浦製薬

添加物フリーの煎じ薬「漢方濃縮煎剤葛根湯」

「漢方で知っている処方はありますか?」という質問を研修中の学生に聞いてみると、まずは「葛根湯」の名前が挙がるぐらい葛根湯はメジャーな処方です。漢方的には「風寒」の処方、風邪の初期でゾクゾクしたときにしっかりと温めて服用して欲しい処方です。

よく1日2~3回、と書かれていますが食後食間関係なく「ゾクゾクとしたときにすぐ服用する」そして「熱いうどんやソバを食べ、身体を温めて汗をさっと出す」と、風邪は酷くならないうちに回復できます。

葛根湯のドリンクタイプには添加物が多かった!

気軽に服用できるドリンク剤にしようか、と「ドリンクタイプの葛根湯」を仕入れたことはあるのですが・・・ドリンク剤は予想以上に添加物が多い。現在市販されている葛根湯ドリンクの添加物はすごいですよ。少し抜粋してみました。

某S社「葛根湯ドリンク」の添加物を添付文書より抜粋 添加物:果糖ブドウ糖液糖、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、クエン酸、メタリン酸Na、安息香酸Na、パラベン

某T社「葛根湯ドリンク」の添加物を添付文書より抜粋 添加物として転化型液糖(白糖・果糖・ブドウ糖)、日局ハチミツ、 日局安息香酸ナトリウム、 日局パラオキシ安息香酸ブチル、エタノール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、日局クエン酸水和物、日局炭酸水素ナトリウム、香料、エチルバニリン、グリセリン、バニリン、プロピレングリコールを含有

某G社「葛根湯ドリンク」の添加物を添付文書より抜粋 添加物:白糖、D-ソルビトール、果糖ブドウ糖液糖、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、安息香酸Na、パラベン、エタノール、グリセリン、l-メントール、プロピレングリコール、バニリン、ベンジルアルコール、香料

ドリンクだと苦くて飲みにくい、腐らないように安定剤が必要。生薬は7種類なのに、数だけで言えば添加物の種類のほうが多いです(^-^;;;; というわけで当薬局ではドリンク剤は置かなくなりました。

添加物の入っていない濃縮タイプ

で。松浦製薬から面白い処方が発売されました。葛根湯の煎じた液を濃縮してそのままパックに詰めた処方です。ポイントはエタノール以外添加物が入っていないこと。粉薬にすると芳香成分は飛んでしまいますが、煎じ薬ならより成分がしっかりと入っています。インスタントコーヒーとドリップ珈琲ぐらいの違いでしょうか。試しに服用してみると効きそうな味わいです。ただ、煎じ液は原液で服用すると苦すぎます。薄めて使います。

漢方濃縮煎剤葛根湯

トロッ・・・・としているイメージですが、そんなことはありません。サラサラです。しかし色は苦そう・・・。実際苦いですよ。

2015101002

60mlのお湯に溶かしてみました、100mlにすると少し味は薄いかな。左に100mlのドリンクを置いてみました。

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60mlのお湯を入れて薄めました

商品名 漢方濃縮煎剤葛根湯1
ジャンル 第二類医薬品
内容成分 1日量2包(12.5g)中、葛根湯抽出物12.5g(葛根8.0g、麻黄4.0g、生姜1.0g、大棗4.0g、桂皮3.0g、芍薬3.0g、甘草2.0g 添加物としてエタノールを含有します
商品単価  355円(税抜き) 1日分2包あたり
効能効果  体力中程度異常のものの次の諸症状、感冒の初期、汗をかいていないもの、鼻風邪、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の傷み
販売元 松浦製薬株式会社
摂取方法など 1日2回、1回1包を食前又は食間に約100mlのお湯に溶かし服用してください。

この商品は店頭のみの販売になります

  • この記事を書いた人

ゆうき先生(福田優基 薬剤師[pharmacist]/国際中医師)

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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