風邪・咳・気管支炎

滋陰降火湯はこんな人に効きます

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秋の乾燥時期。咳だけがなかなか止らない。そんなご相談が続くことがあります。

秋は急に気温も低くなり体調管理が難しい時期です。特に乾いた咳、コホコホと辛いですよね。夜中にコホコホなりだすと、熟睡できず翌日はすごく辛いです。しかも、長い!ほっておくと治るまで時間がかかり、ご高齢の場合は「すわ肺炎か!?」と家族が心配するのですが、検査しても特に何もなく「どうすればいいのかわからない」というこんな症状です。

乾燥による咳の対処法

漢方では陰血・津液の不足といいまして体が乾いてきたから咳が起こったと考えます。皮膚も乾燥してくると痒くなりますよね。皮膚ならハンドクリームでもすり込んでおけば治りますが、咳が起こるのは体の内側ですから、自分で潤ってくれるような処方を使います。

秋の初期、ごくごくかる~い喉の乾燥感、夏を引きずったような疲れと共に、喉にはなんだか出にくい痰がこびりついて。こんなとき、中医学では桑杏湯(そうきょう)という処方を使います。ただ、残念ながら日本にはこの処方が無い。

ただ、ここで乾燥が治らない場合は。喉の(イガイガした)乾燥感と共に咳が出始めます。乾燥した土地の砦が壊れ始めた段階で、こんなときには有名な肺を潤す処方、麦門冬湯(沙参麦門冬湯)、養陰清肺湯などを使います。養陰清肺シロップの説明はこちらで。風邪のあとに咳だけ残った場合も使います。

※秋が深まったときの冷えから起こる乾燥なら杏蘇散、冷えが強く湿ったような痰が出るようなら蘇子降気湯(イスクラ平喘顆粒)を使いますので別のページで解説したいと思います。

滋陰降火湯(じいんこうかとう)とは? 

で、次から本題なのですが「乾燥感のある咳、なんとかしてっ!!!」とエネルギッシュでかつバイタリティー溢れた方の場合。夜眠れなくて、口は渇いて、便秘気味。舌を見ると割れてて真っ赤・・・。乾燥によってからだの中までオーバーヒートしてしまったようなタイプ。こんなタイプこそ滋陰降火湯です。

なんだか色々なタイプが出てきましたが、ひとまず体のオーバーヒートが強くなりすぎて、興奮すると空咳が出るようなら、、、いいかもしれません。滋陰降火湯を使った思い出深い症例といえば、高校生の男の子。大学受験前の秋でなかなかナイーブになっています。生活はあたりまえですが不摂生気味で、風邪を引いてからは咳が続くようになりました。

病院の抗生剤でも改善せずにご相談に来られたのですが、体が温まる夜になると咳が出やすく、試験勉強で煮詰まってくると咳が止らない、口が渇いていつでも冷たいものを飲んでしまう・・・と、きっと試験勉強を頑張りすぎたのでしょう。市販の咳止めを片手に勉強をしているらしいです。うーん、このままでは大変だぞ・・・ということで滋陰降火湯と疎肝の処方の出番になりました。

滋陰降火湯(じいんこうかとう):気管支炎、せき/高齢者や虚弱体質者で、日中よりも夜に咳が出る。寝入りばなに咳き込む。のどが乾燥、少量の切れにくい痰を伴う。皮膚は乾燥、つやがない
蒼朮(そうじゅつ)、 地黄(じおう)、 芍薬(しゃくやく)、 陳皮(ちんぴ)、 当帰(とうき)、 麦門冬(ばくもんどう)、 天門冬(てんもんどう)、 甘草(かんぞう)、 知母(ちも)、 黄柏(おうばく)
※上記処方はツムラの場合。下記参考文献では地黄→生地黄を使い蒼朮→白朮である。コタローでは蒼朮→白朮になっている。

 この滋陰降火湯ですが、更年期が近づいてきた奥様方にもお勧めできる処方です。ただ、咳の状況については、他にも色々な処方がありますので、相談するようにしてください。

 参考:中医臨床のための方剤学 神戸中医学研究会、漢方の君臣方剤学、中医内科学

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ゆうき先生

大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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