冷え症によい漢方薬/まとめ

[st-marumozi-big fontawesome=”” bgcolor=”#F48FB1″ color=”#fff” radius=”30″ margin=”0 10px 10px 0″]冷え性のまとめ記事になっています[/st-marumozi-big]

 

冬の暖房の設定温度は何度にしていますか?20度ぐらいでしょうか?快適に思う温度は人それぞれです。「冷え症」もあくまで相対的なもの。百貨店の夏の冷房で寒い!というひともいますし、冷房効いていないんじゃ無い?という方もおられます。相対的な冷えは東洋医学が得意な分野です

冷え性の自覚症状はざっくり分けて2種類あり、

  1. 他人が触って冷たい、自分は気にならないというタイプ
  2. 自分は冷え性だと感じる(寒がり)のタイプ

1のタイプは若い方に多く、年齢が進むにつれて2のタイプになります。年齢が進むにつれて陽気(体のエネルギー)が少なくなり冷えも自覚するようになるのでしょう。中高年以降の底冷えには、鹿茸や海馬といった陽気を補う生薬を含む処方が大切になります。

このセクションでは、漢方の色々な書籍を参考にしながら漢方処方の選び方を記載しています。2~3処方を併用することも多いですから、あくまで参考程度です。漢方薬局で相談しながら、実際の体調に合わせて処方を組み合わせてください。

 

目次

冷えの部位で分けてみる

冷え性ですが「冷えの部位」で分けると大きく四つに分けることが出来ます。もちろん重複することがありますので目安程度で考えてください。若い場合は手足の末端が冷えますが、年齢が上がるにつれて全身の冷えになってきます。

手足末端の冷え 下半身の冷え 内臓の冷え 全身の冷え
若い・痩せ形 30代~中年 全年齢 中年~高齢者
一部若者
原因 ダイエット
食生活や生活習慣
血行循環不良
ホルモンバランス
下半身の硬さ
肥満・生活習慣
血行循環不良
更年期的な不調
肥満
ホルモンバランス
冷飲・冷食
基礎代謝の低下
症状 しもやけが出来る
友達に手を触ると
驚かれる
顔色はくすむ
立ちくらみあり
(貧血傾向)
冷房は苦手
風呂につからない
生理不順あり
生理痛が強いことも
太ももが冷たい
太ももの裏も冷たい
腰の後ろが冷たく
鉄板があるような
お腹の辺りが冷た
便秘がち
イライラすることも
火照ることもある
冷えのぼせもある
肌荒れもある
お腹が冷たい
膀胱炎にかかりやすい
疲れやすく・風邪を引く
冷たいものが好き
年間を通して寒い
夏でも寒い
頻尿・尿が近い
体の元気がない
食欲不振
髪の毛がパサパサ
熟睡が出来ない(不眠
布団が温まらない
温かいものが好き
下痢・軟便も時々ある
足腰膝の痛み
処方例 婦宝当帰膠
当帰芍薬散
桂枝茯苓丸
人参養栄湯
当帰四逆加
呉茱萸生姜湯
加味逍遥散
温経湯
女神散
五積散
人参湯
補中益気湯
八味地黄丸
海馬補腎丸
牛車腎気丸
桂枝加朮附湯
真武湯

手足末端の冷えは、若い方の貧血傾向やホルモンバランス、食生活や生活習慣の不養生で起こります。若い年齢(でかつ不摂生)は漢方処方で早く治ることが多いです。

年齢で分けてみる

30歳・40歳に成るに従って積み重なった不摂生・体質が重くのし掛かってきます。年齢別で考えた漢方のタイプは下記に記載してますので参考にしてください。記事が長くなったので別ページにしました。

[st-card id=1392 label=”” name=”” bgcolor=”” color=”” readmore=”on”]

月経と体の症状で分けてみる

女性の場合ですが月経と体の状態で分けています。記載に重複する部分がありますので弁証と処方も書いてみましたが、それでもざっくりです。

タイプ  冷えの症状/原因  月経の状態  体の症状 弁証
(仮)
 漢方処方
(参考)
 全身 全身が冷えて体温が
低い
月経周期は短く
経血少ない
体力が無くいつもだるい。
疲れが顔に出やすく顔色が
良くない
気虚
(血虚)
補中益気湯
人参湯
当帰芍薬散
婦宝当帰膠
乾燥 血行循環が悪く、
顔色悪い
月経痛あり。
月経周期は遅れ
がち、月経の終
わり頃にだるく
なる。
口が渇く、ドライアイ、
乾燥してツヤが無い
目の下にクマが。
血虚
瘀血
温経湯
四物湯
自律神経
ストレス
 イライラ・ストレス
自律神経の乱れ
 月経周期乱れ
がち。月経前に
落ち込む。
 お腹が張る、眩暈、
動悸がして寝付けない。
気滞
(血瘀)
女神散
加味逍遥散
四逆散
香蘇散
下半身 足裏や上半身が火照り、
冷えのぼせがおこる
月経周期は遅れ
気味、経血量多め。
経血赤黒い。
肩こり、口乾く、顔や手が
火照る。冷えると尿が近い。
(気滞)
瘀血
当帰芍薬散
桂枝茯苓丸
当帰四逆加呉茱萸生姜湯
むくみ お腹やおしりが特に冷える 月経は遅れ気味、
月経量多め。月経
前の排卵日前後に
浮腫みやすい
上半身が火照り汗ばむ、
動くと大汗
尿が出にくい、または頻尿。
浮腫
痰濁 苓姜朮甘湯
真武湯
桂枝加朮附湯
冷え
のぼせ
下半身を中心に冷える 月経周期は不定
、月経痛はあまりない、
月経前にイライラ
する
ホットフラッシュ、動悸、
頭痛、げっぷがよく出る、
イライラして不眠
冷える・逆上せる
気滞 桃核承気湯
五積散
桂枝加竜骨牡蛎湯
ストレス 年中冷たい 月経痛が酷い 息苦しい、眠れない、
動悸、胃痛、落ち込み
やすい、怒りが強い
肩こり
気滞 桂枝加竜骨牡蛎湯
柴胡桂枝乾姜湯

※参考/改編 漢方2005週刊朝日(P45-16)/ 新・漢方薬教室 最新の知識と適切な治療法 同文書院 / わかる中医学入門

胃腸の状態で分けてみる

書籍:新・漢方薬教室では胃腸の状態でも切り分けていました。胃腸は食べ物を消化し、栄養素を吸収する大切な臓器です。ここでエネルギーが吸収できないと熱量も出ません。

処方名
胃腸が弱くないが手足の冷え 当帰芍薬散
当帰四逆加呉茱萸生姜湯
加味逍遥散
胃腸が弱く全身の冷え 人参湯
当帰四逆加呉茱萸生姜湯
真武湯

記載されていたのは基本的な処方のみですが、胃腸機能を改善する処方には六君子湯をはじめとして多くの処方があります。

不安で悪夢を見がち、不眠傾向がありやや冷えがある女性になら婦宝当帰膠に帰脾湯を加えるだけでもずいぶんと楽になる方もおられます。

気血水で分けてみる

体質でも冷えのタイプは違ってきます。タイプ別の漢方はこちらで解説しました。血虚タイプ、血瘀タイプ、気滞タイプに分けて解説しています。こちらも長くなったので別ページに分けております。

[st-card id=1316 label=”” name=”” bgcolor=”” color=”” readmore=”on”]

処方については、ご自身の体質を相談の上で、服用するようにしてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

目次