基礎体温が全体的に高かったが、漢方薬で改善し、子だからを授かった例

こんばんは。不妊症でご相談いただいた症例を紹介します。40歳女性 加藤さん(仮名)、生理周期は21日から30日までの不定周期、不妊症のクリニックに通っています。

通院歴は2年で、人工授精を5回、人工授精(1回)をするが授からず。次も体外受精にするようにDrから指導されています。卵管の検査など一般的な検査をしましたが正常です。基礎体温表を見ると、低温期・高温期とも、どちらも高くなり始め、体温が安定していません。

30代の頃まではもう少し基礎体温は低かったらしいですが、最近は手足の火照りなども出てきたとのこと。

※初診時の基礎体温表(全体的に体温が高い)

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「体外受精のため体調を整えたい」とのことでご来店いただきました。体外受精でのポイントは良い状態の卵をとる(採卵)こと、つまり卵の育つ低温期の時期をしっかりと漢方でケアすることが重要と考えています。基礎体温が二相に分かれているのは重要ですし、さらに、卵にも最適な温度があります。

2ヶ月後に採卵の予約をされていて、期間が短かったのですが、婦宝当帰膠や低温期に「二至丸(女貞子・旱蓮草)」「杞菊地黄丸」などを処方をお勧めしました。

また、卵が出来ても着床が出来ないことも多く、内膜が良い状態にサポートしてあげる処方、例えば紅沙棘と活血薬(桂枝茯苓丸)などを検討します。

体外受精の時期だけ、、、とご希望の方もおられますが、ただ30代後半以降の場合は、子宮内膜の血行循環を改善するために、普段から活血薬(桂枝茯苓丸)や補腎薬の服用をお勧めしています。

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前述の加藤さん(仮名)の場合

1回目:1個採卵できて、受精したが育たず。

~ ここから漢方薬を服用 ~

2回目:3個採卵できた。グレードも良かったものの、残念ながら上手く着床せず。このあたりから、基礎体温がやや全体的に低下。本人は元気になったとの話だが、ホルモン値などは変化せず。

3回目:3個採卵できた。グレードがよく、一つをそのまま、もう一つを胚盤胞での移植。胚盤砲での移植は上手く着床。

10週までかなりドキドキしました。切迫流産などのトラブルもありましたが、安定期までうまく持ちこたえてくれて。無事出産されました。この事例では、全体的に少し高めの体温、だったものが下がってきたとき、好転したように感じます。

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この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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