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鼻淵丸のポイントを解説!注意点や早く治るためのコツも紹介

精華鼻淵丸は名前の通り鼻のトラブル、鼻炎や蓄膿症に使う処方です。漢方の場合は「ため池の水を抜いて綺麗にする」イメージです。DASH島みたいな(^-^;;;;

鼻淵丸の効能効果

鼻淵丸の効能効果は、

蓄のう症、鼻づまり、鼻炎

と、どれも鼻のトラブル。ただ、鼻のトラブルなら何でも効くわけではありません。

風邪なら特に後期。鼻が詰まったとか、黄色い鼻汁が出てくる、黄色く固まった鼻くそが出てくる。黄色いタンになって出てくる後鼻漏、など「詰まる・黄色い」ものによく効きます

漢方では、この黄色い・詰まるを熱の状態と考えます。

砂糖に熱を加えるとだんだんと黄色くなってきますよね。同じように「白い鼻水に熱が加わると黄色くなる」と考え、熱状態(炎症)を改善する生薬が含まれています。

ですので、ズビズビーと鼻をかんで透明な鼻水が出てきたり、垂れてくる場合は別の処方を使います。

服用量

1回の服用量は下記の通りです。リニューアル前のパッケージでは6~9丸のように幅を持たせていましたが、精華鼻淵丸になってからは、1回9丸になりました。

大人 1回9丸、1日3回
7~15歳 1回6丸、1日3回
7歳未満 服用しない

 

鼻淵丸の構成

使われている生薬

蒼耳子・辛夷・センソウ・金銀花・菊花

鼻淵丸の特徴の一つが、蒼耳子(そうじし)を使っていること。聞き慣れない植物名ですが、オナモミです。「ひっつき虫」といったほうが分かりやすいかな。野山に入ると、ズボンにくっついてくるトゲトゲのあれです。最近は、あんまり見なくなりましたね、昔は投げて遊んだのですが。中国では、鼻を通す「蒼耳子散」という処方もあります。

鼻淵丸と葛根湯加川芎辛夷の違い

葛根湯加辛夷川芎は飲んだことがあります!という患者さんは意外と多いので、、、病院やドラッグストアではメジャーな処方なのでしょう。この二つの処方の使い方は全く違います。図にしてみました。

真ん中の部分を見てください。風邪(風の邪気)はまず体表部分に取り付き入ります。急にゾクゾクと寒気がしたことはありませんか?こんな時に使うのは葛根湯ですね。体を温めて寒気を追い払います。

寒邪が経絡や水の代謝などが滞らせ、鼻水や初期の鼻づまりが起きます。タラタラの鼻水、やや水っぽい鼻水ですよ。葛根湯に滞りを改善する「辛夷川芎」の合わせ技、葛根湯加辛夷川芎を使います。

わたしも先日、雨の中を歩いて冷えちゃったんですね。急に背筋からゾクゾク~~!!ときて鼻が詰まるやら痰が出るやら。こんなときこそ葛根湯加辛夷川芎です。

鼻淵丸は風邪が悪化して、化熱し副鼻腔炎や蓄膿になった状態に使います。もうすでに炎症が起きていますから、温めて発散させる生薬よりも、熱を冷ます(炎症を取る)生薬が必要になります。ですので、風邪の後期や慢性化したときによく使います

鼻淵丸と辛夷清肺湯の違い

似てるといえば、鼻淵丸と辛夷清肺湯のほうがよく似ています。

辛夷清肺湯ってあまり使っている話を聞きませんが、小林製薬のチクナイン、処方名は辛夷清肺湯です。小林製薬のネーミングセンスはほんとうに凄いです。脱帽です。

辛夷清肺湯は、鼻淵丸よりもカバーする範囲が広く、体表部の熱がさらに奥に進み、肺熱になったときにまで使えます。

清熱薬が多いので鼻ポリープ・肺の熱感にも使えます。潤肺の生薬も入っていますから鼻の乾燥・乾燥性の咳・気管支炎などにも使います。結構マルチにつかえる処方なんですね、ただマルチプレーヤーすぎて市販の粉薬では効きが薄いかも。症状に応じて何かを足した方がいいかもしれません。また、逆に、清熱薬が多いため、体を冷やしすぎないか、気になる場合もあります。

そう思うと、ピンポイントに使える鼻淵丸は便利なんです。

鼻淵丸の応用

鼻淵丸は金銀花などが含まれていることも特徴です。金銀花といえば、天津感冒片ですね↓↓↓ 軽い頭の重さ・熱感、風熱にも使うんです。

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鼻淵丸の副作用

鼻淵丸の副作用での問い合わせは、当薬局で受けたことはありません。ただ、添付文書に記載されているとおり、皮膚症状や胃腸障害があれば注意をしましょう。

副鼻腔炎・蓄膿症で奥に膿が溜まっている場合は、服用し始めると鼻汁がどんどんと出てくる、場合があります。悪化したわけでは無くて、まずは池の水を抜いて泥を出し切らないと、次の段階に進めません。しっかりと出し切ってあげましょう。

もし、強い中耳炎・副鼻腔炎があれば抗生剤と併用することも可能です。受診中でも服用できる場合も多いです。

鼻淵丸の症例

鼻淵丸の症例です。

症例

50代男性、工事現場にて重機の運転をしている。慢性の鼻炎があり、詰まったり鼻水が出たりを繰り返す。運転中に鼻炎があると辛いので・・・と相談。後鼻漏があるためか、話しているとイガイガして咳が出てしまう。病院ではステロイドの点鼻薬を処方され、手放せなくなっていた(後略)

ステロイドやら市販の鼻炎の処方など色々と試してからのご相談でした。鼻が詰まって鼻声になってしまう、咳が出るので指示が出しにくいとのこと。ご相談した上で、最初は鼻淵丸+    の処方でしばらく続けていると、鼻汁がどんどんと出てくる。というお電話をいただきました。

副鼻腔炎・蓄膿の方の場合、どうしても最初は酷くなったように体感します。奥の膿が出し切るまではなかなか治りません。まずは出してしまうこと。そして工事現場ですので、鼻うがいもお勧めしました。

しばらくして、落ち着いてきてからは処方を変えつつ「マシになったよ!」と喜んでいただいているのですが。どうしても花粉症+黄砂+工事現場というコンボは厳しいらしく。冬から春には必ずご来局いただいて、夏までは続けていただいております。

  • この記事を書いた人

ゆうき先生

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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