ペット漢方:疲れ気味の猫さんの症例

当薬局では「人間が服用する漢方薬」を販売しているのですが『愛犬の服用させてます』『愛猫に服用させています』という話をいただくことがあります。

私も2017年からトイプードルを飼い始めたのですが、元気がなくなるともう気になって仕方が無いというか、人間以上に気を遣います(^-^;;; 私でもこんなんですから、超愛犬家・超愛猫家の方々はほんとよく勉強されています。犬猫用の漢方解説本なども発売されていて、お客さんからの紹介で新見正則先生・井上明先生の「ペット漢方薬」を購入して読みました(^-^;;;;

問い合わせですが、老齢の愛犬・愛猫用に「元気になってもらえる処方」が多いです。今回、猫に服用させている方に「どの程度の量を服用させてるんですか?」と質問してみましたら、とても面白かったので掲載する次第です。

目次

症例:高齢の愛猫

ご自分で服用している敬震丹を高齢の愛猫にも服用させている、というUさんの症例です。敬震丹は「気の停滞」を洗い流す処方なのですが、しょんぼりしている体を元気にする作用もあります。

[st-card id=6647 label=”” name=”” bgcolor=”” color=”” readmore=”on”]

[st-kaiwa1]どのように敬震丹をお使いですか?[/st-kaiwa1]

敬震丹は、今は主に高齢の飼い猫に使っています。私も不眠などがつらいときに、単体の牛黄と一緒に飲んだりしています。

敬震丹の量は、猫の体重に合わせたりは特にしていないです。最大でも1/10ぐらいまでならいいかなという感じで使っています。ねこが風邪ひいたかな(突然食欲が落ちたり)という時は、1/15くらいの大きさで使っています。速攻で復活してくれます!

飲ませるとき、空カプセルに詰めています。(カプセルを水で軽く濡らすと、するっといきやすいみたいです)

毎日の漢方に混ぜるときは、1/50~1/30くらいの量(もう顆粒よりも小さいくらい)です。慢性病がある子で、やっと顆粒より大きいぐらいの量と思います。面倒だなぁと敬震丹を端折ると、しばらくすると三匹とも調子が崩れてきてしまいます。くやしいけど、私よりねこのほうが愛飲してます(笑)。

なるほど、猫さん元気になるんですねぇ。ごくごく微量でも効果があるのもすごい(経済的)です(^-^)

どの程度の量を服用するの?

一般的に犬猫に対して漢方薬をどの程度服用させるのかな、、、。色々な先生に伺っても経験則でのお話が多くバラバラだったのですが。下記書籍に参考になる記載がありました。

内服量は人間と同じ体重換算にする方法もあります(中略)数Kgのペットであれば人間量の10分の1で約0.75gが1日の内服量になります。またマウスの実験では体重換算で人間量の10倍を使用しています。そして中国は日本の漢方の10倍量を用いることもあるので数Kgのペットで10分の1~人間と同じ分量を使用することも不可能ではありません。同等量を処方するときは、麻黄と附子と大黄には注意しましょう。引用:ペット漢方 P120

人間量と同等はちょっと怖いですが、ツムラや小太郎など1包2.5gが多いですから1日あたり1/3包を目安にすればいいのでしょう

上記書籍ではツムラの医療用漢方換算です。他の医療用でもだいたい同じぐらいなのですが、ドラッグストアで市販されている漢方処方の場合は違います。

漢方を処方してくれる獣医さん

自分で考えて服用させるのは怖い、アドバイスが欲しいという方には漢方を処方してくれる獣医さんをオススメしています。ちなみに私は人間が専門なので、ペットの漢方を質問されても分かりません(^-^;;; ご了承ください。

当薬局でも取り扱っているイスクラ産業さんにペット部門(ペット事業部)というのが数年前に立ち上がりまして、獣医師さん専門の漢方処方ブランドを作っています。漢方を勉強していた後輩もなぜか「ペット方面に行きたいから就活します」と言っていたので、遠くから応援しています。

人間に使っている生薬を流用しているので、製品の安全性は問題ないかな、と贔屓目に思っています。

当薬局では取り扱っていませんので、日本ペット中医学研究会(JPCM)より近くの動物病院をお探しください。ペットも家族ですから、人間と同じように足腰しっかりと、最後まで長生き、ピンピンコロリがベストだと思います。漢方で元気な毎日を!(^-^)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

目次