めまい・立ちくらみが楽になる:生令

眩暈のご相談は生命に危険は無くても毎日の生活、特に仕事や家事が大変だったりします。ふわふわ、クラクラ、ひとによっては朝起きてすぐは天井が回っているというご相談もあります。

病院で処方をされているお薬をまずは聞くことにしているのですが、メリスロン、ナウゼリン、イソバイド、メチコバールなどが処方されていたり、漢方薬としても半夏白朮天麻湯や五苓散がよく使われています。しかし、なかなか治らない、とのご相談が多く。めまいは人により本当に難しい場合があります。

目次

蔵出生令散の効能効果

生令(せいれい)という処方があります。

生令の効能効果:胃腸障害、婦人病基づく眩暈、立ちくらみ 建林松鶴堂添付文書より

めまい、立ちくらみは、貧血のふら~~~ではなくて、ふわふわ・ゆらゆらのほうです。ただ、婦人病の貧血っぽいものを併発している場合も考えて、当帰や川芎と言った生薬も配合されています。

生令の応用

「痰(水の停滞、水毒)」を解消する処方は、めまいだけでなく

  • 季節の変わり目でふわふわや気分が悪くなる方、
  • 水分の過剰摂取で体の重さ、疲労倦怠感が強い方、
  • 突発性のめまい、よだれ、唾液が多い方、
  • 頭のふらふらが有る方、

などに、何らかの処方と併用することが出来ます。

生令(せいれい)とは?

建林松鶴堂には「生令散」「蔵出生令散」という2種類のパッケージがあります。「生令散」「蔵出生令散」の違いですが、蔵出生令散はノビレチン(ポリメトキシフラボノイド類)を多く含む陳皮を厳選して作られ、特別なパッケージで販売されています。

生令散が終売になりまして「蔵出生令散(現在の生令)」だけに成りました(2020)
生令は、半夏白朮天麻湯を加減したような処方構成です(後述)。

陳皮の成分ノビレチンにアルツハイマー病の遺伝子組み換えモデルマウスにおいて記憶障害を改善させ、アミロイドβペプチドの沈着を抑制する効果を発見した。さらに、山國らは、ノビレチン単体よりも、同量のノビレチンを含有する陳皮エキスの方が記憶学習能力改善作用が強力であることを見出している。引用:東北大学病院臨床研究推進センターノビレチン論文

蔵出し生令

生令の処方構成

生令の処方構成:生令 生姜末、大黄末、センキュウ末、半夏末、大棗末、地骨皮末、白芷末、陳皮末、甘草末、当帰末、茯苓末、人参末、蛇床子末、テンマ末、青皮末

半夏白朮天麻湯と違い、川芎・白芷・青皮・蛇床子・地骨皮が含まれています。蛇床子・地骨皮が含まれているのが気に入っていて、蛇床子は強精・陰中痒痛に、地骨皮は手足裏の煩熱に使われます。

生令の類似処方との比較

二陳湯を基本骨格として、作られています。

 二陳湯骨格似ている違う
二陳湯半夏・陳皮・生姜
・茯苓・甘草
  
半夏白朮天麻湯半夏・陳皮・生姜
・乾姜・茯苓
天麻・人参黄耆・白朮・沢瀉
黄柏・麦芽・神麹
生令半夏・陳皮・生姜
・茯苓・甘草
天麻・人参当帰・川芎・白芷
青皮・蛇床子・地骨皮
大棗・大黄

生令の飲み方

1日3回、1回1包で食間にお勧めしています。

2015111810

※2021年度より、金パッケージの2連包から、銀パッケージの3連包に変更になります。金の特殊パッケージから銀の普通のパッケージになっています。金のシートに欠品が出てしまったから・・・らしいです。コストも高かったと思います(^-^;;;

症例:めまいが辛い女性:50代

症例:2年前から季節の変わり目の眩暈が悪化。病院で点滴を受けるが良化せず。今年は眩暈・ふらつきに加えて動悸も感じるため漢方でなんとか、、、と来局。5年前から血圧は180/120程度で高く、近所の医院にて降圧剤を処方され現在は落ち着いている。首の硬直や顔色の変化はなく、視野の変化、耳鳴りはない。始終ボーッとした眩暈が続いているが、断続的に船に乗って揺すぶられたような強い眩暈も感じがある。婦人科疾患・生理痛などもない。

この方も仕事を持たれているため、眩暈が一度激しくなると「仕事にならない」とお困りでした。色々とお話しして処方を変えて行きつつでしたが、半夏白朮天麻湯+冠元顆粒+αをお勧めしているうちに、徐々に改善「前よりも酷い眩暈が少なくなりました」「朝にジョギングをしてから会社に行っています!」との連絡。頭の重さがまだ残っていたため、「蔵出生令散」に変更して改善が見られたため、継続してもらっています。

生令のメモ

商品名 生令
ジャンル第二類医薬品
効能効果胃腸障害、婦人病に基づく眩暈・立ちくらみ
内容量60包(20日分)
商品単価6500円(税抜)
販売元建林松鶴堂
摂取方法など1日3回、1回1包

この商品は店頭のみの販売になります

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この記事を書いた人

福田優基のアバター 福田優基 薬剤師/国際中医師

ゆうき先生:漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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