黄連解毒湯の効能効果
黄連解毒湯の添付文書を読んでみると色々な作用が書かれています。
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体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向のあるものの次の諸症: 鼻出血、不眠症、神経症、胃炎、二日酔、血の道症注)、めまい、動悸、 更年期障害、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ、口内炎 ツムラ漢方黄連解毒湯添付文書より
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色々な症状が書かれているため、なんでも効果のあるような処方に見えますが、全て「実熱」があるという前提です。
実熱とは熱が勢いよく暴れている状態。料理でいえば「鍋を火にかけすぎて」熱くなった状態です。
風邪の時の高熱、自律神経の興奮、突き指の発熱、各種機能の亢進、目の充血もそうです。状況によっては、アトピー性皮膚炎、皮膚炎等にも使いますが、特に皮膚症状は長期に使わずに症状を見ながら処方を変えるようにしましょう。
黄連解毒湯の応用
こんな場合に使うこともあります。他の処方と一緒に使うことが多いので処方を併記していますが、参考程度に。
- 頭痛 → ズキンズキンと強めの頭痛。七物降下湯・頂調顆粒・冠元顆粒
- かゆみ → 麦門冬湯・消風散・麦味参顆粒・当帰飲子・外用薬も必ず
- ニキビ → 赤いニキビ。膿みそうなものにも。五行草茶・十味敗毒湯・清営顆粒・白花蛇舌草・清上防風湯
- 赤ら顔 → 加味逍遥散・清上防風湯
- 蕁麻疹 → 赤い蕁麻疹、炎症があるならば。それ以外の蕁麻疹なら麻黄附子細辛湯・桂麻各半湯・葛根湯なども使える。酷いときは西洋薬とも併用して・・・
黄連解毒湯の処方構成
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黄連・黄芩・黄柏・山梔子
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黄連解毒湯は黄連・黄芩・黄柏・山梔子というシンプルな処方で、すべて苦寒薬で構成されています。黄芩が上焦を、黄連が中焦を、黄柏が下焦の熱を冷まし、いずれの生薬も抗菌作用や熱や炎症を改善する作用がある強力な処方です。
体に熱がこもることによって繰り返す「口内炎」にはアフタッチよりもよく効きますよ。
黄連解毒湯の副作用
黄連解毒湯は苦寒薬で「燥」の性質があるため、長期に使うと乾燥してきたり、胃もたれしたりする方もいます。「また妊娠中の服用はどうですか?!」という質問もありますが、よっぽどの時以外は当薬局ではお勧めしていません。他の処方にしています。
黄連解毒湯を使っては駄目な場合
「胃腸が悪くて、食べると胸やけしてしまって辛いんです」という30代営業職の男性が来店されました。この方の話を聞いてみると外食が多くて飲むのはビールや冷たいモノばっかり。食べるとシクシク、下痢気味。ムリをして仕事をしていたため寝不足もかさなって、体調は最悪!とのことでした。某ドラッグストアで黄連解毒湯を勧められて服用している、とのことですが、、、。これは黄連解毒湯を使ってはダメな例です。
状況が合わなければまったく効果がありません。黄連解毒湯は胸やけ・胃潰瘍だけではなく「熱」の傾向がなければ効果はありません。上記症状とは・・・逆ですね。
症例:鼻血の出やすい
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30代男性、IT関連でディスクワークが多い、PCを見て集中していると鼻血がでる。
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数年前「鼻血がよく出ます」という30代の男性にお勧めしたことがありました。本人は「鼻粘膜が薄いのか」と耳鼻咽喉科に通ったらしいのですが別にそういうわけでもない。ただ仕事で集中したり長時間PCを見ていると鼻血が出てくる、頭がぼーっとしてくる。
病院では「粘膜(血管)を焼きましょうか?」とまで言われたそうですが判断に困って相談した友達からのご紹介でした。
「脳が充血するような感じがあると鼻血が出てくるようだ」とのことだったので、試すつもりで黄連解毒湯を牛黄清心丸と併せてお渡ししたところ。よく効いたらしく、二週間後に喜んでのお電話がありました。(現在は頓服での服用)
漢方では炎症だけではなくこうした上に逆上せるような状況のことも「実熱」と考える場合があります。
夏の熱帯夜にも補う処方と一緒に使う
クーラーが必須となってしまったこの熱帯夜ですが、外気から体に溜まってしまった熱も熱邪と考えることができます。暑気あたりによるホテリやのどの渇きには「白虎加人参湯」に「麦味参顆粒」を加減して使う場合が多いのですが、これにめまいや鼻出血などがあれば黄連解毒湯を加えるとよく効きます。
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ただ、暑さはあっても疲労倦怠感や体のだるさがあれば何か補うものを一緒に使うと良いです。漢方薬は上手く使えばすごく効果のある処方がたくさんあります、ご相談くださいね。