5月も末になり暑くなってきました。6月にかけてさらに暑くなるとのこと。そんな日曜日ですが漢方の勉強会が開催されまして朝から出席しました。今回は、港屋漢方堂薬局(東北)の貝津好孝先生、冬虫夏草の講義です。貝津先生は先代の父とも知り合いで、楽しみに参加させていただきました。
貝津先生は冬虫夏草が得意分野とのことで新種も発見されている先生です。
世界で約500種類、日本で約400種類発見されています。福島県からは約125種類発見されています。
福島で沢山発見されるのは「原発があるからだ!」「放射能のせいだ!」というネットの発言も見かけますが、単純に「福島県に冬虫夏草の愛好家が多いから」という可能性も。冬虫夏草の本体は菌ですから環境さえ揃えばどこにでも発生はします、ただ探すのが難しいとのこと。下の写真、枯れ葉について死んだ虫ですがこれの背中に生えている苔のようなもの。冬虫夏草らしいです、「これは発見できない・・・」ですよね。
冬虫夏草は菌(キノコ)ですが、種類によって体への作用、効果が全く違います。現在解明されているのが、コウモリガの幼虫に寄生するコルディセプス・シナンシス(シネンシストウチュウカソウ)、下の写真の菌種です。代用品としてサナギタケ(蛹虫草)も使われています。
免疫力を高めるかも、というような品種も見つかっているらしいですが、それ以外はまだまだ未解明ですので将来的にはすごく有益な菌種が見つかるかもしれません。医薬品などに「天然の冬虫夏草」と書かれている場合は上記のシネンシストウチュウカソウやサナギタケが使われています。
実際は地面から先っぽ(子実体)が地面からニョキッと覗いているらしいですが、見つからないですよね。一瞬見てもツクシと間違えてしまいそう。漢方では性味帰経を甘温肺腎とし、滋補肺陰、止血化痰、益肺平喘、益腎陽、補虚の働きがあるとのこと。
冬虫夏草はこのように赤い糸に束ねられて販売しています。乾燥していてカチカチです。昔はそのまま10本単位で使っていたとか(^-^;;; 今では(金額的に高すぎて)考えられません。今は一本ずつですね。
数年前ですが、肺の病気で入院をしている方(ご高齢でした)に、冬虫夏草を使いますと呼吸が楽になるという経験がありました。呼吸するのも大変な状況だったのが、落ち着くんですね。肺の機能を向上させたい運動選手、たとえばマラソンなど長距離を走る運動選手に使うとよいようです。
これが生えている現物になります。
虫から生えるのが冬虫夏草ですが、菌から生える場合もあるらしいです。キノコに寄生するようです。
清水大典先生の精密画のレプリカも頂きました。貝津先生の師匠に当たる先生らしいです。細かく書かれていてすごいです・・・・。