嚥下が出来ない、食事が入っていかない。

娘さんの夫妻が同居の80代の女性、やせ形。 娘さんより「食べ物がうまく飲み込めなくなって、、、」とのご相談でした。

元々胃腸が悪く食が細かった。病院での定期検診で逆流性食道炎を疑われ行った内視鏡以降、食事をしても喉に詰まった感じがして、吐き気を催すようになった。ご本人は、内視鏡を行った医師が若い先生で、時間がかかりとても辛かった、と話されている。3ヶ月ほどたってもほとんど改善しない。少しの食事で吐き気が出てしまう。

食事が入っていかない、嚥下困難症には「食道アカラシア」といわれる病気があります。(ただ、これは非常にまれな症状です)

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嚥下困難自体は、ご高齢になればどなたでもあり得る症状ですし、ご飯を食べて少し喉が詰まるかな、もよくある症状です。ただ喉が詰まって食事をすること事態が難しいとき、ご高齢の場合は体力がすくに無くなって筋肉も落ちてしまいますから、よくありません。もちろん、若い方の場合も喉が詰まって食べられない、のはよくないです。

この方の場合も、体重が3Kgほど痩せてしまって。「なんとか改善を、」とは思って病院に連れて行かれるのですが、病院の医師からは「特に機能的に問題はありません、様子を見ましょう」と言われ、症状も改善する様子もないしとのことでした。

 

漢方での改善として、脾胃を強くする処方などはあり、有名なところでは六君子湯などがあります。ただ、このケースの場合、原因はストレスにあるのでは?と感じました。漢方ではこのことを「ストレスから気の流れがうまくいかなくなり、胃や腸などの食事をする機能に問題が出てしまった」と考えます。

若い人でも「ストレスから胃が痛くなる、たべようとすると気持ち悪くなる」そんなことはあります。 こういったときには胃腸を強くするだけでなく、ストレスを改善し胃腸の機能をうまく働くようにする処方が必要になります。

上記の例では、半夏厚朴湯と六君子湯、その他で徐々に改善していきました。しっかりと良質のタンパク質をとるためにウイルビーAMSを加えて、ちょっとずつ体重も戻ってきています。

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この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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