「子供に使える処方って何ですか?」こんな質問が学生さんからあったとき。まず最初に出てくるのは「小建中湯」。そして二番目に参苓白朮散(じんりょうびゃくじゅつさん)を答えます。用法用量を見るとなんと2歳未満にも服用量が記載されているという珍しい処方でもあります。基本の方剤は四君子湯ですが、それ以外の配合生薬は山芋、蓮の実、藤豆、ハトムギなどの薬膳で活躍する生薬を使った安全な処方です。
参苓白朮散:ニンジン・サンヤク・ビャクジュツ・ブクリョウ・ヨクイニン・ヘンズ・レンニク・キキョウ・シュクシャ・カンゾウ
痩せて顔色が悪く、食欲が無く下痢が続く傾向があるものの次の諸症状:食欲不振、慢性下痢、病後の体力低下、疲労倦怠感(コタロー製薬の添付文書より)
参苓白朮散はざっくりといえば胃腸を整えて下痢を改善する処方です。漢方的には胃腸のポンプ機能が低下しているので土地の排水が出来ない。慢性的に湿っぽい土地の「脾虚挟湿」証です。いつでも地面が湿っているところには、植物もしっかりと根を張ることが出来ません。
「小さい頃から下痢気味、やせ形、食べても太れない」 日本人に多いらしいです。下痢も泥状か水っぽくて臭く、未消化の便が多いです。どんなに食べても太れないのは栄養が吸収できていないから。これが続くと、全身に栄養が取り込まれずに、手足に力が入らない、疲れやすい、顔色はやや黄色っぽくくすんだような色。アミノ酸サプリやプロテインを服用している方もおられましたが、まず胃腸から治すことが大切です。
「そんな子供でも使える処方、効かないんじゃないの?」と思いがちですが、大丈夫。ただ、土壌の改善を目指す処方ですから、半年や一年という単位で気長に服用する必要があります。
胃腸の薬は色々とありますが?
漢方に胃腸虚弱を改善する処方はたくさんあります。例えば、六君子湯、人参湯、などは有名です。人参を含む有名な処方にも記載しています。よく似た処方の六君子湯は四君子湯という骨格部分が一緒です。胃腸の動きが悪い、食欲不振、胃酸過多が強ければ、六君子湯を使います。六君子湯は漢方メーカーのツムラさんが頑張って食欲を増進させるグレリンについて研究しています。
胃腸虚弱で慢性の下痢があれば参苓白朮散であり、冷えが強ければ人参湯などを考えます。ただ、それぞれ体質がありますので、ご相談の上、検討されるとよいかと思います。
商品名 | 参苓白朮散 |
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ジャンル | 第二類医薬品 |
内容量 | 90包(1ヶ月分) |
商品単価 | 7200円(税抜き) |
ポイント | 痩せて顔色が悪く、食欲が無く下痢が続く傾向があるものの次の諸症状: 食欲不振、慢性下痢、病後の体力低下、疲労倦怠感 |
販売元 | 小太郎製薬 |
摂取方法など | 1日3回、1回1包 |
[expand title=”添付文書はこちらをクリック”] 小太郎製薬のホームページにある商品添付文書PDFにリンクしています。 [/expand]
参考:日経DI 2014.05 中医学治療薬マニュアル 漢方の君臣方剤学 病名漢方治療の実際