出てきて驚くのが回虫や蟯虫。長らく人間と共生してきましたが、最近では見聞きすることが少なくなりました。
びよ~~んと長いのが回虫
回虫はもっともメジャーな寄生虫です。形はミミズを平べったくしたようで、腸に生息します。毎日卵を産み、卵は糞便と共に出ます。出た卵は土壌で孵化することはありません。何かの弾みで手に付いた卵などが口に入ると孵化します。例えば、人糞を使った肥料で育てた有機野菜など。加熱すればいいのですが、生食した場合、感染することがあります。
実際に、サラダを食べて感染した方もおられました。海外旅行などでの感染は多いらしいので注意して下さい。繰り返しますが、回虫の卵は熱に弱く、加熱調理で死んでしまいます。
「便をしていたら、肛門から長い紐のようなものが出てきてびっくりした!!触ったらゴムのようで、これは回虫ですか?」とお電話があったこともありました。だいたいの方は動転してしまうのですが、この回虫たちは安全に海人草で駆除できますのでご安心下さい。
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ちりめんじゃこのような、蟯虫。
蟯虫は肛門から夜のうちにでてきて。肛門周囲に卵を産み付けます。これだけでも怖いのですが、この卵(粘液)に痒くなる成分が含まれますので、イライラするほどの痒みが出ます。蟯虫自体が見つからず、肛門の痒みだけの場合。なかなか判断は難しいと思います。痒みの場合は皮膚炎・蟯虫・ケジラミなど色々な可能性もあります。
中高年の場合は、便の拭き取りがうまくいかなかった、などで皮膚炎を起こしていることが多いようです。これは病院でも市販でもいいのですが軽いステロイドでも治ります。漢方では中黄膏という処方を使います。
子供の蟯虫が判明した場合は、同居者も蟯虫検査を受けるほうがいいです。ちなみに、小学校や幼稚園で蟯虫検査シール、おしりにペタッと張るシールをしたことがありますか?これはこの検査です。
「便をしたらちりめんじゃこみたいな動くものが出てきた!」というお電話があったこともあります。蟯虫はそんな出ないだろう・・・と思ったのですが、「おしりが痒いですか?」と聞いたところ「痒いです・・・」とのこと。病院に行きたくないとのことだったのでひとまず「海人草を何回か服用して下さい」とお伝えしました。後日聞いてみたら、症状が改善したとのことで、海人草で蟯虫に効果があるんだな・・・と思った次第です。
ただ、それでも蟯虫を疑った場合は、できれば病院で蟯虫検査をした上で「パモキサン」というお薬を処方して貰うようお話ししています。海人草もパモキサンも腸内で吸収されず駆虫作用がありますので、安全に使用出来ます。調剤薬局で働いていたときに、パモキサンについてDrから聞かれたことがありました。体重に応じて薬の量を増減する処方です。ただ、その存在自体、知らない若いDrも多いらしいです・・・。
ぎょう虫などの寄生虫卵検査は小学3年生以下に義務づけられ、昭和33年から行われている。多くの学校で、肛門にセロハンテープを貼り、ぎょう虫の卵の有無を調べる検査を実施してきたが、衛生環境の改善に伴い、子供の寄生虫感染率は激減。過去10年の検出率は1%以下だった。
文科省によると、小学生の寄生虫卵保有は、祖父母世代(昭和33年度)が29・2%、父母世代(58年度)が3・2%に対し、子世代(平成25年度)は0・2%となっている。学校検診から消える「座高測定」「ぎょう虫検査」
実際の蟯虫保有数について、手元に東大阪市の幼稚園・小学校を測定した統計データがありました。それを見ると、幼稚園では見つからず。小学校で25181名(検査数)中、1名のみ発見。感染率は0.003%ですからかなり低いと思います。