甘露飲のポイントを解説!注意点や早く治るためのコツも紹介

「口内炎がいつも出来ていて・・・」口内炎が治ったと思ったら別の場所に出来て、治ったら別の場所に出来て。と、時々、ご高齢の方が来店します。

店頭で相談していての印象ですが「若い方の口内炎」は食生活や姿勢の歪みによるものが多く、「中高年」になるに従ってドライマウスや歯周病(歯槽膿漏)などによるものを多く感じます。

歯周病・膿が溜まっている場合はまずは歯科での治療をお願いするのですが、繰り返すような口内炎には体の内部からの問題もあります。漢方薬での改善をお勧めしています。

急性の口内炎を改善する

黄連解毒湯と麦門冬湯などを中心にしていましたが、甘露飲という処方も良いかなと考えています。甘露飲は「中高年のドライマウスから歯周病を起こすような」方にお勧めしています。陰虚傾向の方、つまり微熱傾向があったり、夕方火照りがあったり、口が乾燥したり、そんな場合にもお勧めできます。

甘露飲(かんろいん)陰虚内熱を改善する処方
地黄・麦門冬・天門冬・石斛(せっこく):補陰
黄芩・枇杷葉(びわよう):清熱
茵蔯蒿(いんちんこう):清熱利湿 枳実:理気化湿 甘草:補気健脾

大塚敬節先生は甘露飲について

脾胃に湿熱があり、裏に瘀熱があって、しかも胃腸が弱く虚証を呈し、口舌、咽頭、歯茎などが腫脹糜爛して膿血を出すものによい

板東正造先生は甘露飲について

口腔、歯牙及び歯周組織、咽喉などに炎症があって充血、主張、びらん、出血、排膿等のある場合に求められる。特に、慢性歯周炎のファーストチョイスの処方として用いられる。解毒体質のものにはこれに竜胆瀉肝湯を合方して用いる。 病名漢方治療の実際メディカルユーコン

と述べています。

小太郎_匙倶楽部

歯科で出されたサリグレン(唾液を出す西洋薬)で顎の下のあたりが腫れて痛くなり「口が気持ち悪いから何かいい処方はありませんか?」という女性からの相談がありました。こうした「慢性的なドライマウス」の場合は、こちらの甘露飲か、イスクラ百潤露をお勧めすると「ああ!よかったです!」と喜ばれることがあります。ところで甘露飲の原典では「生地黄・乾地黄」を使うところが「コタロー甘露飲」については「地黄」の一種類だけの表記になっています。特に効果は変わらないようなので、気にせず使えています。

※「どこの病院に行っても全く治る気配がない」そんな口内炎の場合は、歯科医の検査を紹介いたします。

商品名 甘露飲エキス細粒G「コタロー」
ジャンル 第二類医薬品
内容量 90包
商品単価 11000円(税抜き)
ポイント 体力中程度以下のものの次の諸症状
口内炎・舌の荒れや痛み・歯周炎
販売元 小太郎漢方製薬株式会社
摂取方法など 1日3回 1回1包

[expand title=”添付文書はこちらをクリック”]

小太郎製薬のホームページにある商品添付文書PDFにリンクしています。

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この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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