口臭と漢方薬:胃が悪いと口が臭い?

胃が悪く、卵の腐ったような口臭の場合

色々なサイトを見ていると、『胃腸と口臭は関係有りません』とか、『胃腸が悪ければ口が臭いです』とか、様々な意見が述べられています。確かに、お問い合わせを受けることもありますが、胃腸と口臭が完全に関係しているか、、、、といえば、漢方的解釈からすると、『どちらも正解!』です。

口臭と胃腸は関係する?

漢方では、胃腸の色々な運動機能をひっくるめて「脾胃」と呼びます。「脾胃」は水を上に上げたり下ろしたり、ポンプのような役目や、消化をして栄養を運んだり。色々と頑張っています。

 

その「脾胃」が元気がない状態→「脾気虚」が起こると、水の運化、つまり水分代謝が悪くなります。水分代謝が悪くなると、舌の上のコケ(舌苔)も厚くなってきます

厚くなったコケは、バクテリア、つまり細菌の住居となり、嫌気性菌が増殖。また、厚いコケの中に、食べかすなどが取り込まれて栄養満点です。

そんなこんなで、嫌気性菌は、くさーい臭いを発生させて、口臭の原因に。臭いの強いガス、つまり温泉卵のような臭い(揮発性硫黄化合物)はほとんどコレです。

口臭01

では、コケの量を減らすためには「胃腸薬」でいいかといえば、そうではありません。 胃腸薬では、ただただ、消化が良くなるだけです。

ここに、ご相談いただくみなさんの誤解が多いです。正解は、脾胃の運化機能(胃腸の水分代謝)を良くすること。水はけを良くすることで、舌のコケが成長しなくなります。毎日舌掃除をするのも良いのですが、まず根本的な解決を。

 

例えば、水はけを良くして胃腸を改善する漢方の代表は六君子湯。その加減方は色々と存在します。また、状況に応じて、ササヘルスなどをお勧めしています。

 

胃が悪く、酸っぱい口臭がある場合

特にご高齢の方と話していて、「酸っぱい臭い」を感じることがあります。これは、口臭というよりも、胃酸が上がってくるコトによる臭い

 

年齢と共に胃の筋肉も緩んでくるため、胃酸が上に、口も酸性に偏り、酸っぱい臭いも上がってきます。詳しく聞くとGERD(ガード:逆流性食道炎)という症状が見られる場合があります。例えば、食事前の決まった時間に咳き込んだり、胃もたれ、食欲不振があったり・・・。

この場合は、病院で胃酸を抑える処方を続けて貰いながら、ササヘルスをお勧めしています。胃粘膜を守る力があるようで、胃腸の調子が良く、食事が美味い、という方も多いです。

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この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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