12月、宴会シーズンが始まると「お酒のときの漢方薬下さいー」や「飲み過ぎのときの漢方はありますか?(青い顔)」というご相談がちょくちょくと出てきます。
よく、今までどんなものを飲まれていましたか?と聞くのですが、多いのはダントツで「ウコン」です。あの「ウコンのチカラ」、テレビCMの影響ですね。黄色い色がなんだかビールの色に似て、消化を促進して、効きそうな気がしてきます。
ただ、残念ながら「そこまでのチカラがあるのかな?」と店頭でお話ししていて疑問に思うこともチラホラ。
そんな時にぜひお勧めしたい、お酒の対策というお客さんが来られた場合の、当店での例をお話ししたいと思います。
お酒が多くて頭が痛い
二次会、三次会・・・酒量が多く頭痛になるのですが、その時によく使うのが黄連解毒湯(おうれんげどくとう)という処方です。
近くの会社の営業さんとか、バーのママさんにお勧めして喜ばれる処方で、12月の宴会シーズンには金曜土曜にご来店いただきます。服用しておくと翌日の頭痛が楽、また翌日の頭痛のときにも服用できる処方です。漢方的には燃えさかる火を鎮火する処方で、効果はシャープです。鎮痛剤を漫然と服用するぐらいなら「これで・・!」と言い切ってしまいます。
浮腫や頭がボーッとする傾向があれば、水はけが悪いということですから、苓桂朮甘湯・加味平胃散・天祐などその体質に応じてプラスする処方を検討しています。
※ポイントは、水分はしっかりと飲んでいるとき、寝る前にもとって、漢方薬です。
酒量減った、飲めなくなった
肝臓は体の解毒を引き受ける臓器です。この臓器が弱くなるとお酒も飲めなくなったり、少しで酔いやすかったり。酷くなると体がだるくなったりします。(疲れてソファーでよっこいしょーというよりも「動けない」ようなだるさです)
こうなると、ウコンやら上記の処方やらもなかなか難しい。休肝日を設定してもまたすぐにだるくなるという状況に陥ります。酒に上限はない!と豪語していた営業さんも「40代を超えて、宴会が続くと厳しく感じる」そういった相談に。
そのだるさ、ですが、肝臓はからだの中の「掃除ロボット」のようなもので、血液に乗って流れてくる毒を綺麗にしてくれます(オルニチンサイクル)。しかし、この掃除ロボットに負荷がかかりすぎて、フィルターが目詰まりしている・・・これが原因です。
こうした「疲れた肝臓」を楽にする処方として、肝生(かんせい)という処方や木鶏丹(もっけいたん)をお勧めしています。
肝生や木鶏丹を使って、よりよく改善した例もありますので、記載していきたいと思います。