失われた処方:舒筋丸

舒筋丸(イスクラ産業)

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舒筋丸・活絡丹は取り扱っていません。舒丸と舒丸は似ておりますが、別の処方です。

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流通しなくなった「虎骨」

漢方薬も時代と共に移り変わりますが、昔使われていて、現在使えなくなった生薬の代表的なものといえば「虎骨」でしょう。ご存じのように、ワシントン条約で「虎」の売買は禁止されています。

1980年代ごろ、虎骨は一般的に手に入る生薬でした。北京に行けば普通に売っている商品だったのです。今では考えられない状態ですね。

虎骨を中医学の辞典で引けば「帰経:肝、腎」「性味:辛咸、平」 関節疾患によく用いられると書かれています。

1980年代当時は日本の漢方薬としても流通しており、イスクラ産業の舒筋丸は代表的な虎骨の含まれる漢方薬でした。

舒筋丸(イスクラ産業)

パッケージの効能効果として、腰痛・関節痛・筋肉痛・四肢の痺れ・痛み、と書かれています。「風寒湿痺:湿気や冷えたことが原因の痺れ」によく効き、ご高齢のおじいちゃん、おばあちゃんの最終手段として重宝されていました。

舒筋丸は現在ではもう流通していませんが、「あの漢方薬は良く効いたのにねぇ、なんでなくなったの?!」と、時々おばあちゃんの患者さんとのお話しで出てきます。

いま、よく似た名前で販売されている「風湿舒筋丸(ヤツメ製薬)」とはまた違う処方ですよ。表にしてみました。疎経活血湯の類方で虎骨は入っておりません。

製品名 処方
イスクラ舒筋丸 牛膝・サフラン・虎骨・鹿茸・木瓜
千年健・山茱萸・当帰・川芎
風湿舒筋丸
(八ツ目製薬
芍薬・地黄・川芎・茯苓・羗活
威霊仙・竜胆・防風・甘草・当帰
蒼朮・桃仁・陳皮・白芷・防已
牛膝・生姜
舒筋丸
中国
馬銭子(マチン/ホミカ)・麻黄・
独活・羗活・桂枝・甘草・千年健・
牛膝・乳香・木瓜・没薬・防風・
途中・地楓皮・断続

全く見なくなりましたが、昔は中国に虎骨膏というものもありました。本当に虎骨を使ってたのかどうか、、、はわかりません。よく似た名前のタイガーバームは中国で萬金油といわれ、薄荷オイルやユーカリオイルなどの植物性の精油で作られています。

動物性の生薬自体が今後どんどんと減少し、そのうち処方も忘れられていくのでしょう。時代の流れかな、と思うこの頃です。

こちらの↓↓↓活絡丹も虎骨の入っていた処方です。

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この記事を書いた人

福田優基のアバター 福田優基 薬剤師/国際中医師

ゆうき先生:漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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