電車が事故で遅延していました。「しかたがないか・・・」という顔で、ホームで電車を待っている人。駅員さんに食ってかかる人。色々な人がいます。
特別な用事があったり、疲れていたり。お互い何らかの原因はあると思いますが、ただ、少しのストレスでイライラしてしまう場合。 これは、ストレスの耐性がすごく下がった状態。なんで自分でもこんなに怒ったんだろう、というほどすぐに怒ってすぐに冷静になります。
例えば、女性の場合。「ご主人が髪を切ったのに気がついてくれない」で大激怒。ご飯なんか作ってやるか!と大げんか。後で思い返しても、そんなに怒ることだったっけ?と不思議に思う。こんなことは、ありませんか?
抗うつ剤を飲むまでもありませんし、飲む必要もありません。漢方薬での体質で(とくにご家族が)楽になる例です。 漢方で代表的なタイプを書きます、すべての症状があるわけでなく、ある程度似た状況が起こります。
肝気鬱血タイプ(かんきうっけつ)
ここをチェック!→鬱っぽい、情緒不安定、良くため息をつく、肋骨の下あたりの左右が痛むことがある、げっぷが出やすい、お腹が張る、嘔吐感(実際は吐かない)、下痢もしくは便秘がある、生理不順、生理痛(生理前にも違和感)
一番良く見かける症状です。こういった症状には柴胡という生薬の入った漢方薬を考えます。例えば、四逆散、大柴胡湯、加味逍遥散、柴胡疎肝湯などを中心に処方を組み立てます。キレる、タイプもありますが、一つのことをずっと考えてしまう、クヨクヨのタイプも多いです。
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気鬱化火タイプ(きうつかか)
肝気鬱血の症状に加えて、怒りやすい、口が渇く、口が苦い、頭が痛い、目が赤い、息が臭い、耳鳴り、顔が赤くなりやすい
肝火上炎とも呼びますが、イライラが過ぎて、火がついた状態。急に烈火の如く怒ったり、赤いニキビ、頭に血が上る、など熱の症状が起こります。例えば、肝気鬱血の処方に、竜胆瀉肝湯、黄連解毒湯を加えたり、牛黄清心丸、敬震丹などを加えます。昔努めていたドラッグストアの店長がこのタイプでした。いつかオーバーワークで血管が切れて倒れるんじゃないだろうか、そんな心配になるタイプです。中小企業の社長さんにも多いです。
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気滞痰鬱タイプ(きたいたんうつ)
喉のつまり、胸の詰まり、脇の痛み
喉に異物が詰まったみたい。出そうと思っても何も出てこない。女性に多いです。イライラすると喉が詰まる、このタイプです。半夏厚朴湯などの処方は有名ですが、症状によっては、黄連解毒湯を足したり、竹茹温胆湯にしたり。眠りの質が悪いのもこのタイプです。怖い夢を見たり、、、、。
心脾両虚タイプ(しんぴりょうきょ)
眠りが浅い、寝付きが悪い、眠られない、不安感が強い、物忘れ(なかなか思い出せない)、皮膚につやがない、元気だ出ない、食欲不振
このタイプは元気がないタイプで、ストレスに耐えられる体力がない状態。とても上記の気滞痰鬱よりも眠りの質が悪く、寝ても眠った気がしない、と言われることも。体力を増やすような処方を組み立てます。例えば、加味帰脾湯などはよく使いますが、冷え性などがあれば、鹿茸を加えたり、霊鹿参を加えたりと。慢性的な疲労の方も多いので、治療もじっくり直すことが大切です。焦らないことです。
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参考:松浦漢方株式会社Infomation 2012.MAY ※症状によっては、処方が変りますので、ご相談ください。