不妊カウンセラー勉強会:セックスレスの話のメモ

虎ノ門で不妊カウンセラーの勉強会がありました。 500人ぐらいの参加者で、二日間行われます。  

 


※その中で、記憶に残った話のメモと自分で考えたこと。

 

概要:セックスレスとは。
日本人は諸外国と比べて性交頻度が少なく(Durex調査より)セックスレスを起こしやすい
原因としては色々なことが考えられるが、最近では性欲低下と性嫌悪症が増えてきた。
男性・女性で7:3、もしくはその両方で起こる。

性嫌悪障害
特徴:男女とも性欲は保たれている。自慰や他の男女との性交はできるが、パートナーとに限ってはできない。
原因:感情の変化。男女愛の変質(家族愛、肉親愛への変化)
   何らかの原因での性への嫌悪(後天的な原因)
特に、女性例の場合は夫婦仲が悪いが、男性例の場合は夫婦仲がよい。

治療方法:
性欲などがないわけではないので、まず、コミュニケーションをとること。
会話の増加。ボディータッチなど。
家庭のにおいなどを排除するため、昔泊まったホテルなどに行って性交を試みる。
センセートフォーカスというボディコミュニケーションの方法がある。

センセートフォーカス法
 爪切り、肩もみ、耳掃除
 着衣の上からタッチング
 素肌へのタッチング、背中かき
 性器へのタッチング
 ノンエレクトでの性器接触


勃起障害
勃起障害には症例数が多いが、セックスレスに占める割合は性嫌悪症ほどではない。性交をしようとは試みるため。

勃起障害には色々な治療法があるが、おすすめするのはこの3つ。
プロスタグランジン注射(とてもよく効くが、注射なので)
内服薬によるもの(バイアグラ・レビトラ・シアリスが使われる。ひとまず順当に始められる)
シリコンを海綿体に埋め込む(最後の手段)

ただ、男性ホルモンの測定は測定すること。男性ホルモンの減少による場合は、男性ホルモンを補充する必要があるため)

心因性勃起障害
勃起障害の中でも、心因性勃起障害は原因が複雑。
予期不安(勃起しないのでは?という不安)
パニック障害(興奮とパニックとが似ているため、ドキドキでパニックを起こす)
軽度鬱
不妊外来でのトラウマ(自分のSexを覗かれているのかもという不安)
ターンオフ(急に仕事や用事を思い出して興奮が冷めてしまう)
で70%ぐらい。
意外と「多忙・ストレス」によるものは1%程度と少ない。

性欲を無くしているひとはいるが、性欲はなくても勃起はできる人はいる。
内服薬は自転車の補助輪のようなものなので、乗れるようになったら中止するのがよい。

膣内射精障害
マスターベーションなら可能だが、膣の中で射精できない。

原因:こちらも原因は複雑。気になったのは下記の2つ。
手を使わないマスターベーション(シーツにこすりつける、布団や枕を挟むなど、ひんやり感が欲しい、週刊誌に挟む、こすりつける)
こする力が強すぎる(測定すると握力10Kgぐらいでこすっている。膣内4Kgぐらいなので気持ちよくならない)

治療法:
ひとまず、圧力・状況に慣れること。
コンドームマス法(コンドームにローションを入れてこすってみる)
TENGAなどを使う場合もある。

早漏
特徴:自分で射精をコントロールできない
×妻が満足しなければ早漏といわれていたが、最近では違う。

治療法:
ストップアンドスタート方法
刺激して、これ以上刺激したら・・・というポイントでストップ。それを繰り返して最後に射精する。
※コントロールするコツを身につけるための方法。一時、コンドームを重ねると刺激が少なくなるため早漏が治るという話があったが、それは嘘。
スクウィーズ法
射精しそうになったら亀頭部を握り圧迫する。
TENGAなどを使う場合もある。

女性の性交痛
性交痛が起こるのはほぼ女性のみ。
生来のもの(もしくは癒着など)や膣口が小さいものだけと思われがちだが、心因性の痛みの場合も多いため注意が必要。
ある病院で、あまりに痛がるため、腰にブロック注射をしたが、それでもなお痛みがある、という例があった。これは、心因性によるものとかんがえられた。キシロカインゼリーなどの局所麻酔薬などを使う場合もあるが、それだけでは痛みを改善できないこともある。

指も入らないと言われる場合、過剰な緊張(膣のけいれん)によるものも多い。たとえばゴムホースのようだ、とか、力が入ってしまう、はじかれてしまうという例がある。
この場合、指を挿入しながら咳をしてみるとよい。咳の後に膣の圧力は緩むため、緊張を緩めるこつをつかむ。
コンドームをかぶせて何か細いもの(大人のおもちゃ)を入れ、慣れさせる。

 

臨床家の先生方へ:記憶とノートに基づいていますが、要約してあったり省略した部分もあります。詳細は阿部輝夫先生の著書をお読みください。
 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

目次