統合医療ジャーナルに、漢方薬を使った抗がん剤の副作用軽減方法についての記事が掲載されていました。当薬局にも、病院で「癌告知をうけて」ご相談頂くこともありますが、治療後を特に重要しています。
病院では「五年生存率」、という言葉を使います。ある病気の診断から5年後に、患者がどの程度の割合で生存しているか、を示す数値です。癌の治療をして5年後、「元気」に過ごしていて、さらに再発していない場合は完治したとみなされます。言い換えれば、それまではしっかりと漢方薬を服用して、体力が落ちるのを防ぐように・・・、とお話ししています。
・癌治療後に体力が回復しない、副作用が起きやすい。
・十全大補湯をマウスに服用させ、抗がん剤を与えると副作用が大きく軽減した。
・抗がん剤を与えた後に十全大補湯を与えても違いはなかった。
・補と瀉の生薬がバランスよく配合された処方が良い。
・癌の初期治療を終えた後が大切、再発防止をしよう。
・癌治療で落ちた体力を付けて、免疫力の増強を図ること。
統合医療ジャーナル H25/01/20 治療中の副作用緩和に「十全大補湯」が有効 漢方生薬研究所 小松靖弘氏
上記の書籍では十全大補湯・人参養栄湯がクローズアップされていますが、それぞれの状況に応じてお勧めする処方は違います。ただ、漢方から考えて、抗がん剤とは「自分の身も削るお薬」です。分子標的薬ができて、がん細胞だけできるだけ攻撃できるように、と日々進化していますが。それでもなお副作用などは出やすく。ほんとうに闘病、戦いが起こることも多いです。自分の体力、抵抗する力が大切です。