心臓病・脳梗塞・血管病 漢方の勉強会記録

狭心症の再発防止に漢方薬を使った例

狭心症の再発防止の相談がありました

こういった60代男性のご相談がありました。狭心症の治療後で、

心臓が締め付けられる感じがしたため受診。病院の検査で冠状動脈の狭窄を発見。かなり詰まっていたため、すぐにステント留置をした。現在はバイアスピリンのみ服用している。 
胸の違和感は無いが、農作業が忙しく、時々起こる不安感も強い。(本人は農家の専業) 治療と言うほどでもないが、高血圧を指摘されている。肩こりや首筋のコリを感じる。
唇の色はやや浅黒から紫色。歯茎も紫色。酒は好きタバコを吸っていた(現在はタバコは止めた)。時々頭痛も起こす。家族も心臓などのトラブルで亡くなっているので、それも不安である。今後の予防のために、漢方薬を服用したいと考えた。

 という相談でした。実際、カテーテル手術後、再狭窄が起こりやすいのは問題です。 

重度の詰まりの場合はすぐに手術

狭心症は、多くは生活習慣からスタートします。動脈の血管の内側にゴミや汚れのようなモノが溜まります。 

血管を「川」に例えると、川岸に砂山を作るようなイメージです。砂山が崩れ「川に流れ落ちる」と、川が詰まって「氾濫」します。  氾濫した血は、色々な臓器を圧迫するため、後遺症など、色々と不都合が起こります。

  ※ より詳しくは、Drみやけの家庭の医学さんへ。

 

病院での検診で、重度の詰まりの場合は、

  • 川を拡張して土砂を取り除く手術 →ステントの手術

しかありませんし、 溜まってしまった土砂は、

  • 川の水を改善する →高脂血症・糖尿病の治療

しかありません。 20121003142946

ただ、治療するほどでもないけれども、今後気をつけた方が・・・。という予備軍(未病)も存在します。

 放っておけば、将来必ず症状は出る、すでに出ているかもしれない。ただ、あまり自覚症状がない。 治療予備軍を改善することが、漢方の得意技で、漢方薬なら体に優しく、改善することが可能です。 

漢方薬、冠元顆粒の効果

日本中医薬研究会、9月の全国大会での「血行循環改善」の講義。その中で、狭心症予防・治療後の話がありました。講義では、漢方の活血薬(冠心Ⅱ号方・日本では冠元顆粒など)の臨床応用についてのセクションで

・カテーテル治療後の再狭窄の改善

・狭心症や狭心痛に対する改善(動脈血栓やアテローム形成を抑制

   中国中医科学院広安門病院院長 王階先生 研究より

が発表されました。 要約すると、「漢方薬で狭心症の再狭窄が改善された」とのこと。 

日本の先生の実験でも同じく、2010年に福岡大学副学長 薬学部教授 藤原道弘先生(当時)から、脳保護作用(抗酸化作用、抗炎症作用、脳血流改善作用)についての講演がありました。

 マウスの実験の話です。

わざと脳の血管を一時的に止めます。すると、脳の細胞が壊れて認知症の状態が起こります。 

一般のマウスは記憶力が悪くなるのですが、21日間予め冠心Ⅱ号方(冠元顆粒)を投与したマウスでは「記憶力の低下が少ない」。 

予め冠元顆粒を服用しておくと、血管の障害を予防する」という講演でした。 病院で処方されているバイアスピリンとも併用できる漢方薬です。

上記の症例のような、高血圧気味で肩こりなどの自覚症状があれば、まず検討してください。また、それ以外の体質に合う漢方薬もありますので、ご相談ください。

  • この記事を書いた人

ゆうき先生

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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