寒気には葛根湯 熱に天津感冒片
日本の漢方で、カゼといえば葛根湯がよく知られている。しかし、現代の中国ではあまり使われていない。(漢方漫歩より)
葛根湯は、今から約2000年前に著された医書『
中国で傷寒論が軽視されているということではもちろんない。
傷寒論よりもさらに古い時代の医書『
傷寒論ころは、気候も寒く、栄養状態も今より格段に悪かった時代だ。そのため、冷えからくる寒性の病気が主流で、傷寒論の処方には体を温めて治療するものが多い。葛根湯(かっこんとう)もしかり。
ところが明、清の時代以降、都市への人口の流入、さらに地球の温暖化傾向が進んだことから、ウイルスなどによってもたらされる熱性の病気が急増。それに対処するため、温病学という新しい医療体系が生まれた。
比較的抗ウイルス力の強い
中国でカゼ薬といえば、この銀翹散系統の
路 京華(中国中医研究院広安門医院主治医師)讀賣新聞日曜版『漢方漫歩』1993/04/25