帯状疱疹後に残った痛みに漢方が効果的だった一例

帯状疱疹は加齢によって発症しやすくなり、患者の約半数は60歳以上と言われています。原因は水痘(水疱瘡)ウイルスですが、疲れやストレスで免疫力が低下、睡眠不足などで、再発し、口角や皮膚などで痛みと水疱を引き起こします。

病院では、ファムビル(ファムシクロビル)やバルトレックス(バラシクロビル塩酸塩)という抗ウイルス薬を用いて治療します。ともに、1週間程度の服用が必要になります。

参考:日経ドラッグインフォメーション 2009.9 P49-50

帯状疱疹治療後の一例

60代の男性のご相談です。

とある病気で入院したときに、帯状疱疹を発症。
病院でバルトレックスを処方され、帯状疱疹はよくなったのですが、皮膚のピリピリ感だけは変わらない。看護師や医師に話をしても、「もう治っていますよ」と言われた。

とのことで、ご家族が来店。帯状疱疹後に痛みが残る、という相談は時々あります。西洋医学的には、帯状疱疹後神経痛(postherpetic neuralgia:PHN)と呼びます。漢方では「血」の流れが悪くなったので、痛みを起こすと考えます。慢性で難治性の疼痛になりやすく、注意が必要です。 

漢方では、血行循環を改善する処方、たとえば、冠元顆粒、桃核承気湯、桂枝茯苓丸、通導散などと、外用薬の紫雲膏を併用しています。この方の場合は、2~3日目から、ピリピリとした痛みが改善し、痛みが50%ぐらい減った気がすると、喜ばれました。2週間目ぐらいで、痛みはほとんど取れたとのことで、その後、様子を見て休薬しました。 ※皮膚に熱感のある場合などは別の処方を使います。

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この記事を書いた人

福田優基のアバター 福田優基 薬剤師/国際中医師

ゆうき先生:漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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