イスクラ 漢方解説 頭痛、神経痛、三叉神経痛

川芎茶調散はこんな処方です

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ノーシンやらイブAやらロキソニンSといった鎮痛剤すぐに効くし便利ですよね。頭痛の時にもすごく便利なお薬です。

ただ、この系統の薬は長期で連用すると「胃腸障害(消化管からの出血)」や「薬剤性頭痛」を起こしますし使い続けても根本的な解決になりません。そこで漢方薬のお話です!

頭の病気一切を治す川芎茶調散

漢方にも実は「頭痛の薬」があります。

今回お話ししたいのは川芎茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)という処方。「茶」という言葉があるようにお茶を使った珍しい処方で、頭痛を起こす邪気を散らして痛みを止める処方です

効能効果

まず川芎茶調散の効能効果を見てみましょう。

効能効果

体力に関わらず使用でき、頭痛があるものの次の諸症:かぜ、血の道症、頭痛 イスクラ産業 頂調顆粒(川芎茶調散)より

効能効果には、頭痛以外にも風邪や血の道症など不思議な効果がありますが、あとで説明します(^-^;;;;; まず頭痛、この川芎茶調散で治る頭痛は、インフルエンザの時に起こるような「あーなんだかズキズキするなー」こんな頭痛です。

もちろん、実際にインフルエンザでなくても、緊張性の頭痛でも偏頭痛でもいいんですよ。イメージとしては、急に痛みが出てきた!そんな感じです。

他にも、濡れた薄紙が張り付いたような、なんとなーく不快感が続くような頭痛にも効きます。応用範囲は広くて、頭痛ならまずまず使ってOKです。

急に起こった激しい疼痛、割れそうな頭痛、呂律が回らない(一時的に起こり治った)、そういった場合は脳梗塞・出血の可能性があります。急いで病院を受診してください。

構成生薬

川芎茶調散は頭痛の部位によって効果のある生薬を満遍なく取り入れています。と、書いてもわけわかんないので、イラストにしてみました。

川芎茶調散に含まれる生薬

黒い文字が生薬で、青いのが(中医学的な)生薬の効果。袪風や解表という言葉が多いと思います。

袪風・解表は、外敵がフラッと進入してきたのを追い出す、ザワザワとしているのを落ち着かせるような働きです。

川芎茶調散と清上蠲痛湯の違い

川芎茶調散と似た処方に清上蠲痛湯(せいじょうけんつうとう)があります。どちらも効能効果に「頭痛」が入っていますが、違いはどこにあるのでしょうか?

清上蠲痛湯(せいじょうけんつうとう)はこんな処方です

顔の痛み全般に使う処方 ピリピリした痛み、目の奥がガンガンする、チカチカする、寒さに当たると顔の皮膚がピリピリと痛いとい ...

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わかりやすいように効能効果の比較です。参考に、袪風の処方である消風散、解表の葛根湯も記載してみました。

処方名 効能効果
川芎茶調散
頂調顆粒
かぜ、血の道症、頭痛
清上蠲痛湯 体力に拘わらず使用でき、慢性化した痛みのある者の
次の諸症:頭痛・顔面痛
消風散 体力中等度以上の人の皮膚疾患で、かゆみが強くて分
泌物が多く、ときに局所の熱感があるものの次の諸症:
湿疹・皮膚炎、じんましん、水虫、あせも
葛根湯 自然発汗がなく頭痛、発熱、悪寒、肩こり等を伴う
比較的体力のあるものの次の諸症:感冒、鼻かぜ、
熱性疾患の初期、炎症性疾患(結膜炎、角膜炎、
中耳炎、扁桃腺炎、乳腺炎、リンパ腺炎)、肩こり、
上半身の神経痛、じんましん

 

川芎茶調散は風邪や血の道症に適応があります。頭痛の処方なのに風邪とか血の道症とか不思議ですよね。逆に清上蠲痛湯は顔面痛に適応があります。この辺りが使い分けのポイントなんです。

川芎茶調散は、フラッ~と進入してきた外邪(風邪)と戦っているような頭痛、冷えたり血行循環が悪くなって起こった頭痛に対応しています。どちらかというと急に起こる症状に使うことが多いです。

清上蠲痛湯はもう少し慢性期です。炎症を撮るような生薬、例えば黄芩や菊花も含まれています。顔面の痛みにも効きます。ズキーンズキーンとか、繰り返すような症状に使います。

どちらを使って間違いとかはありません、治るときは治ります(^-^;;;; けっこう、被っている生薬も多いですから。下に比較表をつけてみました。

処方名 共通の生薬
川芎茶調散
頂調顆粒
川芎・白芷・羗活・防風・甘草 荊芥・香附子・薄荷・茶葉
清上蠲痛湯 川芎・白芷・羗活・独活・防風・甘草 麦門冬・黄芩・蒼朮・当帰・蔓荊子・細辛・菊花・生姜
消風散 防風 荊芥・牛蒡子・蝉退・蒼朮・苦参・木通・石膏・知母・
当帰・生地黄・胡麻仁・生甘草
葛根湯 葛根・麻黄・桂皮・芍薬・甘草・大棗・生姜

 

川芎茶調散は、イスクラ産業より「頂調顆粒」という処方名で販売されていますので、こちらも参考にしてください。

頂調顆粒
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症例・口コミ

症例

鼻閉・嗅覚異常・前頭部痛 160cm55Kg 60代の女性 冬に風邪を引いてから臭いを感じなくなってきた。前頭部が重い感じで痛みがある。ある内科にて抗生剤(マクロライド系)を処方されるが変化無し。別の病院を受診、耳鼻咽喉科にて副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎)と診断、別の抗生剤を処方された。鼻閉・鼻汁は改善しつつあるが、前頭部痛あり、臭いが戻ってこない。友達に紹介されて来局。

偏頭痛や緊張性頭痛だけでなく、副鼻腔炎など炎症の痛みにも漢方薬を使うことは出来ます。特に川芎茶調散は「気や血の循環をよくする」川芎や香附子が入っているため、使いやすい処方です。

この方の場合は「鼻淵丸+川芎茶調散+α」を使うことで、2~3週間ほどで改善することが出来ました。飲み始めると、溜まっていた鼻汁・膿がダラダラダラ~と出始めてすっきりとするんですね。あとは寝る前に「鼻うがい」をしておくと、夜ぐっすりと眠れます。

その後は、風邪を引きやすいとのことだったので「参蘇飮+α」で継続してもらいました。しばらくして臭いも戻ってきたので良かった良かったという例です。

嗅覚異常についてはまた別のページで紹介したいと思います。

頭痛への対策

川芎茶調散は頭痛一般に満遍なく効果のある処方で、マイルドな処方です。体質や状況を治す処方をプラスする、もしくはベースの処方に川芎茶調散を加えることでより良く治ることが出来ます。

外感頭痛 風寒 冷えや風邪によって悪化
風熱 風邪の発熱などにより悪化
風湿 気圧や湿気など環境で悪化
内傷頭痛 肝陽上亢 ストレスで陽気が浮き始める
肝火上炎 肝陽上亢が激しくなった状態
脾虚不運 胃腸虚弱により体が滋養されない
腎虚 体の老化や疲れ、生殖の弱り
瘀血 血行循環の不良、もしくは長く続く病状

※いかに弁証論治するか(胡栄先生)より引用、一部追加

漢方の場合は頭痛はこうやって分けて考えていきます。「外感頭痛」が例えば風邪などの外側に原因のある頭痛です。内傷頭痛はからだの内側に原因のある頭痛。特に病歴が長くなるとからだの内側も同時に治す必要があります。

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川芎茶調散だけでOK!!ではなくて、内傷をしっかりと治す、、、それが大切だと考えています。

川芎茶調散の応用

さて、川芎茶調散、頭痛以外にも使うことがあります。効能効果に「血の道症」と書かれていましたよね。構成生薬の香附子・川芎がうまく働いてくれます。

女性の生理期の時期だけ起こるような頭痛なら、桂枝茯苓丸に川芎茶調散を加えて使うこともあります。不妊症で温経湯だけ病院から処方されている・・・けどうまくいかない、そんな場合でも川芎茶調散などを加えると調子が良くなることもあります。

色々と応用が出来る処方、それが川芎茶調散です。

  • この記事を書いた人
福田優基

ゆうき先生

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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