冷え症の改善例@名医が教える漢方で長引く不調を解消SP

テレビの2017年1月31日20時、朝日放送で「2017年から始める、名医が教える漢方で長引く不調を解消SP」が放送されました。

名医が教える漢方で長引く不調を解消SP

西洋医学と比べて脚光を浴びにくい業界ですから(^-^;;; CMで見かけて本放送を楽しみにしていました(^-^) 放送を参考に記事を書いています、ぜひ再放送をしてほしいです。※症例について放送から抜粋し要約ています。

目次

漢方のイメージとは?

まず導入は「漢方のイメージ」の街頭インタビューから。ドキドキします。

  • 構えちゃう。知らない間に飲んでるかもしれない
  • 西洋医学の薬よりも体に優しいイメージがある
  • 色々な薬が効かないから漢方に頼る

効果がわからない(得体が知れない、けど、なんとなく)体に優しいイメージ

確かにこんなイメージからのご相談が多いです。魔法の様なイメージが先行して「明日に治りますか?」という質問やら、逆に「5年ぐらいしないと効果が出ないですか」という質問まであります。もちろん西洋薬より切れ味は遅いですが、そこそこの期間で不快症状が軽減するときは軽減します。

また効果について多くの方が「劇的に改善」つまり「全く症状が無くなること」を期待されます。不快な症状がズルズルと続く慢性病の場合は「(痛みは)無くなったわけではないけれども、困るほどの痛みがなくなった」これぐらいを目指すようにお話ししています。

特に、不定愁訴に関しては「疲れたり、ストレスがあったり」と体調不良によって再発します。できるだけ、楽な期間が長く続くように、漢方は役に立ちます。

漢方が得意な分野って?

放送では漢方が得意な分野、具体的な病気について3つを上げていました。冷え症と便秘とツボについて症例がありましたが、薬局店頭では肩こりや疲労も多い相談です。

  1. 冷え症
  2. 便秘
  3. 肩こり

あと生理痛・PMSなどの女性疾患、慢性的な胃腸不快感も確かに効果があります。漢方薬が強みを発揮する7つのケース、過去記事にしています。

放送であった通り、漢方診断は望診、聞診、問診、切診を総合して考えます。西洋医学で言えばCTやレントゲンや血液検査みたいなものです(^-^;;;;

「脈・舌・腹」などを見るとされていましたが、それ以外にも「血流計」「血圧計」を使ったり病院での「血液検査」データを見せてもらったりもします。

冷え症の改善症例

で具体的な冷え症の症例。すごく改善したみたいで、手足の温度も1週間程度で5度ぐらい上がっています。(番組編集の関係で説明内容に疑問があったりもしますが(^-^;;; 冷え症(と、冷えによる腹痛・頭痛)は店頭でもよく相談される症例です。

山田さん:冷え症歴20年

主訴:手足など先端が冷たくちゃんと睡眠がとれない、日中ぼーっとしてしまう。湯たんぽ、お風呂でも改善せず。足の表面温度:19度、指先の温度:20度程度しか無い。(問診現場ではもっと色々と尋ねていたと思います)

診断:ストレスに弱い体質。職場が変ってからプレッシャーやストレスを受けるように。自律神経の異常は「脇」などの汗にも出る。

処方:当帰四逆加呉茱萸生姜湯(ときしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)

当帰四逆加呉茱萸生姜湯とは?

放送では「ストレスなどで高まった交感神経を鎮める」と紹介されていました。教科書的には温経散寒と呼ばれる処方で「体の元気不足から経絡に冷え(寒さ)が入り血の運行が阻害された」状態につかう処方です。

冷えの処方でもありますし、弱かった体も補ってくれます。「しもやけ」などでも使える良い処方です。ただ「ストレス」にというなら弱い印象なので、放送されていないその翌週などに、何らかの処方を追加したかもしれませんね。

時期や状況によって処方を変えていくのも、漢方の大切なポイントです。

片山さん:冷え症歴30年

主訴:寒い部屋に行くと足先が冷たくなる。暖かい部屋に行くと気がつくと顔が暖かうなる。手足は寒いが顔は熱い、足先は冷たい。カイロやお湯で手足を温めるがあまり変化が無い。足の表面温度は13.4度程度。

診断:血液がドロドロとしているのが問題

処方:加味逍遥散(かみしょうようさん)

加味逍遥散とは?

放送では「血の流れを良くする」と紹介されていましたが、教科書的には「疎肝健脾・和解調経」と呼ばれる処方で、自律神経のバランスの崩れに使います

舌診をしたとき、テレビの画面では(^-^;;;; それほど気にならないぐらいですが、やや紫がかっているのは血行循環不良の証拠です。やや舌が左右にゆがみがあるのも問題ですね。

血行循環の改善は一朝一夕には出来ないので、この症例でもその次の週には別の処方を加えたりしたのだろうなと思います。

そして血行循環不良、漢方では瘀血(おけつ)といいますが、検査値のなかのコレステロールの値だけでわかるものではありません。もちろん目安にはしますが、他の自覚症状も併せて総合的に考えます。

同じ冷え症でも違った原因、違った治し方をするのが、同病異治といいます。このあたりがオーダーメード治療と言われるゆえんかと思います。また、治療する先生、その勉強してきた流派によっても出す処方が変ります。

書き疲れたので、舌の状態(舌診)についてはあらためて(^-^;;;

オープニングで放送されていた「科学的な根拠に基づいた漢方の効能のガイドラインが発表された」はこちらに概要のPDFがありました。高齢者医療における安全な漢方治療ガイドライン(東北大学)

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この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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