犀角(サイカク)

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犀角の取扱や販売はしていませんのでご了承ください。

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採れなくなったり希少になったりして使われなくなった生薬は色々とありますが、そのひとつ犀角(さいかく)です。インドサイ・ジャワサイの角を烏犀角、クロサイ・(スマトラサイ)の角を水犀角と呼ばれます。

クロサイはアフリカのサイでこちらが多く市場に出ていたといわれていますが、日本での輸入が禁止されているため漢方の生薬としてはほぼ見ることはありません。

中国で犀角を使っていた処方も、現在では水牛角で代用することが多いようです。有名な安宮牛黄丸も昔は犀角を使っていたようですが、今は代用の水牛角を使っています。ただ、水牛角の場合は犀角の10倍ほどの量を使わないと同量の効果が無いとか。

犀角

犀角は薄くスライスして用いられる。まるで、硬い鰹節のスライスを触っているよう。臭いは特にない。

犀角を使った処方で有名な処方として、

犀角地黄湯 (清熱解毒・涼血散瘀
犀角1g(沖服) 生地黄 30g  赤芍 12g  牡丹皮 9g

犀角升麻湯 (疏風清熱・涼血解毒
犀角 升麻 防風 羗活 白芷 黄芩 川芎 附子 甘草

などがあります。

どちらも「涼血」の処方です。「高熱のときの解熱薬」と書かれているブログもありますが、漢方的には少し違っていて「血熱」つまり体に無駄な熱が籠もり、出血、熱感、充血、発疹が出る症状を改善するために用います。

犀角は「沖服」で使われます。漢方処方は通常、生薬をお湯でゴトゴトと20分~30分ぐらい煎じます。沖服は、コップに犀角を入れて、その上から「別の煎じたエキス」を注ぎ、そのまま攪拌して服用します。そんな使い方なので、生薬として「エキスが出やすいスライス状の犀角」が流通していたのかなと思います。

参考:中医臨床のための中薬学 神戸中医学研究会

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この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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