血虚:貧血でないけど貧血のような「ふらつき・めまい」

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ふらつくけれども?というご相談で

「立ち眩みとか、いつもふらついてしまって。貧血なんです」と若い女性が来局されました。「貧血だと思うんですが、病院の検査では問題ないんです」と言われます。

西洋医学的に「数値的には問題ない」、という場合は赤血球や白血球・鉄などの数の検査です。漢方の場合はそれもありますが、血がうまく使えているかどうか、ということも意識して検討していきます。

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病院で測定する「貧血」の3つの基準

図ではトラックを書いてみました。

赤血球はトラックのような働きです。酸素や二酸化炭素を入れるのが、コンテナ(ヘモグロビン)です。コンテナには「体内の鉄」が使われているため、生理出血が多いなど鉄が不足すると、コンテナの数が足りなくなります。これが女性に多い「鉄欠乏性貧血」です。

ヘモグロビンは基準値が男女に差はありますが、13~15ぐらいです。基準値以下でふらつきや目眩が出る方が多いです。

貧血の基準はそれだけでなく、赤血球数やヘマトクリットという基準もあります。この2つの基準は、赤血球というトラックの多さを示しています。

コンテナが多くても運ぶトラックが少なければ酸素や二酸化炭素が運搬できません。 ヘモグロビン・赤血球数・ヘマトクリット。この3つが貧血の大きな判断基準となります。

貧血の原因は「鉄欠乏貧血」や「悪性貧血」など色々とありますが、まずは材料の不足による貧血が9割で、それ以外は全く違う病気によるものがあります。

「ヘモグロビンA1C」という似た名前があります。貧血とは関係なく糖尿病の基準です。

ある女性に血液検査数値を見せて貰ったところ「ヘモグロビン」値が9を切り基準を大幅に下回っています。「入院とか言われませんでしたか?」と聞いたところ「言われましたけど大丈夫なんです、いつもなんですよ」と軽く笑っていました。

このときは血虚へのアプローチよりも、別の部分を重視してお話ししました。西洋医学の基準値も参考にしますが、漢方では自覚症状があるかどうかを重視します。

漢方で考える「血」とは

少し話がそれます。漢方では「血がうまく使われているか」と書きました。西洋医学の「血」は物理的なモノ、比べて東洋医学の「血」とは「働き」も加わった違った概念です。

貧血だけど貧血でない?漢方の血虚

三つの基準だけではわからない「何か違う、不快な症状」、血がうまく使われていない・使っていない症状を、漢方では「血虚」と呼びます。

上記のトラックの例なら、道路が悪いかもしれませんし、トラックの積み荷の積み方が悪いかもしれません。数値に表れない症状を漢方では改善します。

改善には婦宝当帰膠や当帰芍薬散、四物湯などの処方をお勧めしますが、女性の血の道症、血虚とは?に続きます。

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この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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