赤ちゃんが下痢をして、、、。脱水症状の予防
夜半に赤ちゃんが下痢をして、、、。との相談がありました。赤ちゃんは腸が未熟ですので、すぐに下痢を起こします。少々の下痢ならば、様子を見て良いのですが、水のような下痢が多い。ぐったりとしている。嘔吐が多い。などあれば、注意が必要です。その他、下痢以外でも、風邪などの発熱で汗をたくさんかいた。散歩などでたくさんの汗をかいた。場合も、脱水症状を起こすことがありますので早めの水分補給を心がけてください。
ぐったりしている状態が続くようならば、早めに小児科を受診しましょう。湯冷ましを飲ませてあげるのも良いのですが、嘔吐下痢の場合は、「経口補水液」を作ってあげるのも良いでしょう。 以下、ご相談の時にお話しした経口補水液のメモです。ご自身で作るのが不安な方は、市販されているものを使いましょう。
脱水傾向がある場合には味覚に変化が起こる場合があります。一般的な経口補水液は塩分を含むので”ややしょっぱい”傾向がありますが、脱水になると無味や甘みを感じる場合があります。
経口補水液・経口補液
ORS=Oral Rehydration Solutionは、電解質と糖質を一定の濃度で混合したものです。いわゆる「脱水症状に使う水」です。市販品では、アクアライトORS(和光堂)、OS-1(大塚製薬)、アクアサーナORS(森永)などがあります。
経口補水液の作り方
- 砂糖40g(上白糖大さじ4と1/2杯)+食塩3g(小さじ1/2杯)を湯冷まし1リットルに良く溶かす
- かき混ぜて飲みやすい温度にする
- 果汁を搾ると飲みやすくなる
- 500mlのペットボトルを使う場合は上記の半量で計算
経口補水液の作り方2
- 100%リンゴジュース 720ml
- 100%ミカンジュース 400ml
- 100%グレープフルーツジュース450ml
上記いずれかに食塩3gを加え水を入れて1リットルにする。参考:大阪府薬雑誌 2010年11月号 P43 より
経口補水液の作り方3
- 市販スポーツドリンク1L
- 食塩小さじ 約1.6g(1/3杯)
やや高張となります。失われる塩分を補う。 参考:大阪ライフサポート協会
体重:3~4時間以内に飲ませる経口補水液の量
- 5Kg:250~500ml
- 7Kg:350~700ml
- 9Kg:450~900ml
※4時間以降は下痢又は嘔吐のたびに60~120mlの経口補水液を飲ませる
体重:3~4時間以内に飲ませる経口補水液の量
- 11Kg:550~1100ml
- 13Kg:650~1300ml
- 15Kg:750~1500ml
- 17Kg:850~1700ml
※4時間以降は下痢又は嘔吐のたびに120~240mlの経口補水液を飲ませる。コツとしては少量を回数多く飲ませる。ティースプーンなどで。一度にたくさん飲ませない。母乳を少しずつ与える。大塚製薬:お子様が吐いたら、下痢をしたらより引用・改変
経口補水液の電解質組成
OS-1 | アクアライトORS | アクアサーナORS | |
---|---|---|---|
PH | – | 5.5 | – |
浸透圧 mOsm/L |
270 | 200 | – |
Na+ mEq/L |
50 | 35 | 32 |
K+ mEq/L |
20 | 20 | 20 |
Cl- mEq/L |
50 | 30 | 25 |
糖質 mmol/L |
100 | 100 | – |
※和光堂資料より一部改変
※こちらでも詳しく書かれていましたのでご参考に→管理薬剤師.com OS-1
※経口補水液の効果は、「浸透圧で決まる(糖分・塩分が必要/低浸透圧のほうが良い)」といわれています。もちろん緊急時です、この前「いつでもOS-1を飲んでいます!」というご老人が来店されましたが、勿体ないです。普通の時はお茶で問題有りません。
ぐったりとしているとき、浸透圧の高い、大人用スポーツドリンク(ポカリスエットとかですね)は小児の脱水症状には適していません。乳児用の「イオン飲料(一般的なもの)」も、塩分などがとれて良いのですが、浸透圧も高く、厳密には脱水症状には適していません。 ORSと名のつく、例えばアクアサーナORSやアクアライトORSは塩分の補給が出来て、浸透圧も低くしてありますので脱水症状に適しています。スーパーなどで簡単に手に入るものではありませんので、おうちに一つ用意しておいてもいいかも。あと、熱中症気味の場合は、必ず体を冷やすこと。三ヶ月未満の乳児の場合は、ひとまず落ち着いたら小児科へ!
夏のスイカ
昔は、夏になるとスイカに塩をつけて食べたり、キュウリに塩とモロミをつけて食べたりしましたよね。これって、塩分と共にカリウムを摂取できる素晴らしい熱中症対策の経口補水液?です。沖縄のゴーヤチャンプルもよく考えられています。
漢方では「旬の野菜」をお勧めしていますが、こういったことも日常生活に取り入れていただければと思います。
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