胆石によく使われる漢方薬

胆石の治療

胆石の治療には、

  1. 経口胆石溶解療法(ウルソなど)
  2. 超音波で破砕(余り行われない)
  3. 手術:胆嚢摘出術など
  4. 経過観察

などの方法があります。超音波で破砕したり、胆嚢の摘出は、胆石が大きい場合や炎症がひどい場合に行われます。そこまでしなくても良い場合、つまり、「サイレントストーン」と呼ばれる「影響のない石」の場合も多く、特に問題がない場合は「経過観察」になることもしばしばです。

そういった方で、脂ものを食べすぎると、胃の裏あたりがずんと痛い」「胆石のうずきを感じた。」そんなときに漢方薬をお薦めしています。

○○○○○○胆石の方の体験談はこちらにも記載しています。○○○○○○

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胆石の漢方薬など

大柴胡湯

一般的な処方として使われています。消化器の異常に良く用いられる処方ですが、胆石・胆嚢炎にも活用できます。大柴胡湯は実証タイプ。肝炎などにも使う処方ですので、ちょっと詰りかけで炎症が起きそうだな・・・というとき。激痛があったときよりも少し前の違和感の時期の処方です。山本巌先生の「病名漢方治療の実際」では去大黄を勧められていましたが、大柴胡湯そのままでも問題無いかなと思うことも。最近では潤勝散 ←Click という処方を使っています。

大柴胡湯:体力が充実して、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの次の諸症: 胃炎、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘、神経症、肥満症
柴胡(サイコ)、黄芩(オウゴン)、半夏(ハンゲ)、枳実(キジツ)、大黄(ダイオウ)、芍薬(シャクヤク)、生姜(ショウキョウ)、大棗(タイソウ) 

柴胡桂枝湯

 風邪の後期の処方として有名な柴胡桂枝湯ですが、胆石に使われることもあります。こちらも痛みが酷い場合というよりも、ちょっと疼痛があるかなの時期がいいです。茵蔯蒿湯と併用する場合もあります

柴胡桂枝湯:風邪、急性胃腸炎、胃炎、ストレス性胃炎、眼精疲労、慢性肝炎、肩こり、腰痛、過敏性腸症候群
柴胡(サイコ)、桂皮(ケイヒ)、黄芩(オウゴン)、半夏(ハンゲ)、芍薬(シャクヤク)、人参(ニンジン)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)、大棗(タイソウ)

茵陳蒿湯

茵蔯蒿湯は内臓の炎症、裏に隠れた熱を改善する処方です。からだの中から起こる炎症に効果があります。

茵蔯蒿湯:口渇があり、尿量少なく、便秘するものの次の諸症:じんましん、口内炎
茵蔯蒿(インチンコウ)、山梔子(サンシシ)、大黄(ダイオウ)

ウラジロガシ ・金銭草などの生薬茶

ウラジロガシや金銭草などの処方を煮て作る生薬茶も人気です。色々なお茶(流石茶)があり、毎日お茶代わりに服用して、予防に活用して頂いています。(独自のブレンドもしています)胆石だけでなく、腎石の方でもこのお茶を愛飲している方もおられます。

潤勝散

胆石の漢方薬に潤勝散(じゅんしょうさん)」 ←Clickという処方があります。「病院で胆石と診断された」もしくは「胆石の痛みにびっくりした」40~50代の男性がご購入されることが多いです。

潤勝散:胆石・胆のう炎の疼痛、胃腸痛、消化不良、食欲増進、腫気、肝臓病
ニンジン、ハンゲ、ショウキョウ、ケイヒ、サイコ、カンゾウ、オウゴン、ブクリョウ、ソウハクヒ、タイソウ、モッコウ、リョウキョウ、シソシ

最初は「効いたようだ!」と2~3ヶ月ほど継続して、その後、休止 (男性は服用が面倒になる方が多い)。また痛くなれば再来店。飲み会とか、ストレスの大きくなる11月、12月から2月ごろまでのご来店が多いです。痛くなってからでは辛いので、お早めにご相談ください。

潤勝散については、↓のような記事もありました。

転げ回るような激痛から、重苦しいような鈍痛まで、さまざまな胆石の症状を経験した愛用者が絶賛するこの薬、名前を「潤勝散」という。中国北宋第8代徽宗皇帝の勅令により編纂(へんさん)された「太平恵民和剤局方」の中にある「分心気飲」の処方をもとにしたオリジナルな処方の薬だ。 ゲンダイネット

※ 「痛み」がひどい場合、「長距離の旅行」をする予定がある場合は、必ず病院で受診の上、MRI・超音波検査を受けて下さい。

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この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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