漢方漫歩【1993】

冷え性体質「衣食住」に問題

冷え性体質「衣食住」に問題

日本人は、体質的に冷え性の人が多い。(漢方漫歩より) 

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 現代っ子の低体温状態(36度以下)がよく話題になるが、「冷え」の状態は大人にも当てはまる。日本で漢方相談の現場に立ち会う機会も多いが、「冷え」は年齢・性別を問わず、常に訴えの上位にある。 

日本人の冷え性体質は、衣食住の習慣からきているように思えてならない。食生活でも、肉、魚、野菜、いずれも生が大好き。生ものの摂りすぎは、体を冷やすが大丈夫だろうか。キュウリやトマトですらいためて食べる中国人から見ると、心配である。飲み物もまたしかり。冬でもレストランでは氷水が出るし、街には清涼飲料の自動販売機があふれている。

 中国には「久而増気」という言葉がある。一つのものを長く食べ続けると、その気が増えるという古人の教えであり、今でも食生活に生きている。熱いものをたくさん、しかも長く摂り続けると陽気(体を温めるエネルギー源)が増え、冷たいものの摂りすぎは、逆に陽気をそこなう。ふろ上がりのビールも、ほどほどが大切である。 

服装の面でいえば、冬でもミニスカートで頑張る女性が目立つ。冬は寒冷の刺激が強く、陽気の消耗も激しい。おしゃれ感覚を楽しむのもいいが、衣服によって陽気を守る工夫もなくてはならない。 日本には日本の生活習慣があり、それをとやかく言うつもりはないが、冷え性体質の人は衣食住にもう少し配慮があってもよいのでは。 

路 京華(中国中医研究院広安門医院主治医師)讀賣新聞日曜版『漢方漫歩』1993/05/09

  • この記事を書いた人
福田優基

ゆうき先生

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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