「嫁さんの顔が穏やかになりました」
先日、来店されたご主人様の「台詞」です。いままで、イライラしやすくて、細かいことをしつこく追求していた奥様。ご主人様が「これは困った」ということで、お友達からのご紹介を受けて、ご来店いただきました。
漢方薬を服用して1ヶ月。再来点の時にご主人様が「嫁さんの顔が穏やかになりました」と。相談机にすわってすぐにお話しいただきました。もちろん、喧嘩はまだするらしいですが。
最近では、奥様の強烈な生理痛も改善してきたらしく。イヤイヤ飲んでいた漢方も、服用するのが楽しくなってきた、とのことでした。
鬱証:気が滞るとイライラに
漢方の気血水学説(理論)では、「目に見えない気」「目に見える血水」が全身を巡っていると考えます。気とは、「目に見えないエネルギー」と訳せば、わかりやすいでしょうか。
日本語には、「気」を使う言葉がたくさんあります。例えば、気が詰まる、気が進まない、気が滅入る、気がかかりなど。
「気」は、川のように流れているのが正常ですが、何らかの原因があると、流れが滞って詰まったり、少なくなったり。そして、症状に表れます。
気の流れが滞ると、「血水」の失調が起こります。エネルギーが、モノ(血水)に影響を及ぼすと、痛みや疲れなど、体調の変化が現れます。ストレスによって胃が痛くなる、頭が痛くなる、のは一般的です。さらに、イライラや不眠であったり、冷えであったり。冷えのぼせであったり。口が渇いたり、動悸がしたり。
肝鬱(気の流れの停滞)がひどい場合は、女性なら生理の状態に強く表れます。例えば、月経不順、生理痛、PMS(月経前のイライラ)がひどくなる方もおられました。 また、別の側面から見ると、「心・脾」に影響が出やすくなります。
心:ちょっとしたことで涙が止まらない、小さな不満だけで大爆発。
脾:食欲不振、口の中に唾液が湧く、胸のあたりがもたれる。
といった症状など。 これらの症状は、気の流れ、が停滞したことが原因です。そう、改善できるのです。もし、病院を受診して「不眠なんです」→睡眠導入剤を処方される。「生理痛が酷いんです」→痛み止めを処方される。こんな対処療法では治る状況も治りません。
もともと病気ではなかったのです。「気」が詰まっていただけ。漢方では、疏肝解鬱といって「気の流れを整える」ことが出来ます。その上で、効果のある漢方を加えて改善していきます。睡眠導入剤はお守り代わりに持っていて、辛いときだけ使って下さいね。そうお話しをさせていただきました。