不妊症の記事を読んでいると「不妊治療には経済的な負担が多い」と書かれていて。確かに、来店する不妊治療中の患者さんから、体外受精は高い・・・とは聞いています。
不妊専門の病院に勉強会で行きますと、ホテルかと見まごうような設備でびっくりします。病院によって差はかなりありますが、僕のいつも泊まっているようなビジネスホテルとは2~3ランク違うのは間違いありません。
もちろん、医師としては年齢が高くなってからでも妊娠できる方法を探りますし、不妊治療の技術も向上しています。しかし、体外受精などの高度な不妊治療が増えることが、決してよいことだとは思っていません。費用面を考えても、1回の治療費を30万円、40代半ばの成功率1%と仮定すると、3000万円で1人が生まれるという計算になってしまいます。すべてに助成金が適用されたとしても、半分程度は個人負担になり、大変な費用がかかります。不妊治療をやめる理由には、「資金がなくなった」という声が多いのが実情なのです。しかも、努力をしても結果が得られないケースも増えています。不妊治療のプロが語る
子宝はお金にかえられない、苦労をしただけの価値がある、というご夫婦の気持ちはよく分かります。ただ、先立つものも重要ですから、政府もしっかりと支援を、そして、若い時期から啓蒙をして欲しいな、と思います。
記事を読んでいて、不妊治療中の患者さんが、漢方についてはどの程度かが気になって、当店で不妊症のご相談をされた方について抽出してみました。縦軸が年齢、横軸が1周期あたりの金額です。
年齢と金額にはそれほど相関が無いような気がします。体質に応じて処方しているので、当然かもしれません。だいたいが1周期あたり1~3万円の範囲に入っています。次は、体質、例えば証と改善の具合など色々と検討してみたいと思います。
(ご注意)あくまで当薬局での集計であり、すべての漢方薬局に通じる話ではないことをご留意ください。直近10件のデータで、1周期あたりの金額を年齢でプロットしています。また、ご夫婦で服用されている場合は、奥様の分のみ抽出して計算しました。予算に応じて処方している場合もありますので、一概にこの通りとは限りません。体外受精、人工受精関係なく不妊治療で病院に通院中かつ漢方の購入履歴のある方の抽出です。