パナックス・ケイギョク(瓊玉膏)は終売しました

残念なお知らせ、になりますが、パナックス・ケイギョクを製造していた信州製薬株式会社が、会社を解散してしまいました。瓊玉膏は良い処方だっただけにとても残念です。

瓊玉膏

似た名前の処方に株式会社栃本天海堂の開豊瓊玉膏(かいほうけいぎょくこう)がありますが、内容成分が結構違ったりしています。店頭で使っていますと、熱を下げる処方としてはパナックスケイギョクのほうが優勢ではないか、と考えています。

  パナックスケイギョク信州製薬株式会社 (会社解散) 開豊瓊玉膏栃本天海堂 廣東製薬株式会社(大韓民国)
ニンジン 5.1g 2.8g
茯苓 10.3g 8.0g
麦門冬 1.7g  
地黄 54.9g 32.0g
ハチミツ 34.3g 38.5g
天門冬 1.7g  
地骨皮 1.7g  
枸杞   0.9g
沈香   0.1g
添加物など なし
1回あたり10gを1日2回(成人)
パラオキシ安息香酸プロピル
1回あたり5gを1日1~2回(成人)

※100gあたりの成分分量※内容成分は水分などが加味されますので、足しても必ず合計数値になるとは限りません。
※あくまで簡易な比較です。粉末であったり絞り汁であったりの違いもありますので、そのあたりはご了承下さい。

 信州製薬株式会社は地黄を国産品(北海道十勝平野の農家に委託した無農薬栽培品)を使っていたり、高麗人参も国産品(信州)を使っていたりと頑張っていたメーカーでした。主薬である熟地黄の製造も普通に蒸すだけではなく、かなりこだわって製造していたようです。 「蒸し器に入れ蒸す→黄酒に浸し自然乾燥」を6回繰り返し、ラップをかけて蒸し→乾燥を3回、さらに乾燥機にして仕上げ、というかなり手間のかかるものです。良いメーカーが解散したこと、とても残念です。
※高麗人参はオタネニンジンと言われるように、八代将軍徳川吉宗が栽培方法を確立して、親藩大名に「御種」を分け与えて栽培を奨励したのが始まりと言われています。

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この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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