クロミッドとは?
クロミッドは不妊症の治療や、無月経の治療でよく使われるお薬です。
正式名をクロミフェンクエン酸塩といいます。オリフェン、スパクロミン、フェミロンなどの名前で販売もされていますが、これらも同じお薬です。
病院では、「排卵をさせるためのお薬です」と処方されることが多いです。
クロミッドの作用とは?
クロミッドが視床下部に作用してホルモンを放出させます。クロミッドを服用している最中はFSHが分泌され子宮内膜が成長します。服用を中止すると、LHサージがおき、それにつられて排卵が起きます。
不妊症とクロミッド
不妊症治療(タイミング法)の用法用量として多いのが「生理開始後5日目から5日間」です。
クロミッドを服用すると周期が整いやすく、排卵障害(排卵できない症状)の方は「排卵」するために妊娠しやすくなります。
排卵は「服用してから9日目」あたりに起こることが多いです。
クロミッドと副作用
クロミッドの頻用により、副作用として経管粘液の減少が起こります。この経管粘液(オリモノ)は、精子が登っていくための通り道です。
サケの遡上を想像してください。川の水の量が少なくなれば、自然登っていくサケの数も少なくなってしまいますね。
また、それ以外にも口が渇く、卵巣が腫れる、子宮内膜が薄くなるという副作用が起こる場合があります。[*1]
もちろん、すべての方に起こるとは限りません。
経管粘液(オリモノ)はセルフチェック可能ですのでぜひ確認してあげてくださいね。
一般不妊症治療あるいはステップアップの経過で、クロミフェン(クロミッド)とhMGを投与するケースが非常に多く見られます。
クロミフェン(クロミッド)自体は間接的作用で卵巣への付加は余り問題ないにしても、その副作用で経管粘液がほとんどでなくなります。(中略)
卵胞のチェックと共に粘液分泌の状態を把握し、タイミング指導後のヒューナーテストを確実に行うべきです。(中略)
クロミフェンはあくまでも排卵誘発剤であって妊娠をしやすくする薬ではありません。不妊治療はつらくない P44 加藤修著 より
漢方とクロミッドの併用について
漢方薬は陰陽バランスを整えるのを主とします。
「クロミッドは体を乾かし、(仮の)陽気を上げやすい」
当店ではそういったことを前提にして、「補陰補腎」の漢方薬を中心に検討しています。
例えば、地黄などを主成分とする補腎薬や補血薬に効果があります。
また、不妊症の原因は排卵障害だけでなく、その他色々な原因が混じり合っています。
それらを改善するのにも漢方薬は有効と考えています。
もちろん、「体質に合わせて検討する必要」がありますので、ご相談ください。
参考:[*1] 塩野義製薬HP、クロミッド添付文章