妊娠心得七箇条:不妊で悩むアナタへ。授かるために知って欲しいこと

色々なご相談をお受けしていて。妊娠とは本当に奇跡のようなことだ、と実感しています。その中で、不妊治療の病院では教えてもらえない、知ってもらいたいことを七箇条にまとめました。

1:夫は「子供が欲しくない」わけではありません

不妊治療の時期、「あなた真剣に考えてるの!?(怒」と喧嘩することはよくあります。どんなに仲良くても、喧嘩するモノなんです。夫は戸惑って「えっ?いや、考えてるよ?」 そんな言葉を聞いてさらに激怒したり。「もうちょっと気をつかってよ。

そういった温度差は当たり前です。ご主人は、奥様が思っているよりも治療の苦労を知りません。妊娠(不妊)について、女性と男性には大きな認識の隔たりがあります。男性は子供を抱いて初めて父としての意識が芽生えるといいます。

「本当は子供なんて欲しくないのでは?」と不安に思う必要もありません。ご主人はどう表現していいのか、どう手助けしていいのかわからないだけです。

2014100107

 2:不妊の情報に詳しくなくてもいいんです。

「不妊症」と検索するだけでも、色々なページが表示されます。大量の情報があると、どこから読んでいいのかわからなくなります。試験勉強でもそうですね、どこから勉強していいのかわからなくなってすべてを投げ出してしまう。一番ダメなパターンです。

不妊症の治療は勉強してから取りかかる必要はありません。まず最初にすることは決まっています。その後に、少しずつ、自分の必要な範囲を知っていけばいいんです

「ハムスターテストが~」と詳しい患者さんがおられました。毎日、暇さえあればネット検索しているとのこと。「他に、何を調べればいいですか?」 こうアドバイスしました。『休みの日は夫婦で好きな映画をみてください』 そちらのほうが、卵・精子にも良い影響があります。不妊症の専門家になる必要は無いんです

3:決めるのはあなたです

「不妊治療を始めよう」そう思ったとき、まず不妊治療の病院を受診して検査しますが、ほとんどの方は不妊の明確な原因は見つかりません。そしてその次、どうするか。

不妊専門の病院の場合。①タイミング指導を6ヶ月②人工授精を3~6回ぐらい③採卵して体外受精(状況によっては顕微授精) がパターンです。人工授精の中で、排卵誘発をするかしないか。そのあたりは差があります。

ただ、全ての人が、このレールに乗りたい、訳ではありません。不妊治療、最終的には、赤ちゃんを授かりたい。このゴールは同じですが、夫婦の考え、仕事のスケジュール、年齢や体調、もちろん予算でも、それぞれにルートは違ってきます

どこまでを希望しているのか、どうしていきたいのか、そして実行していくのは「あなた」であり「ご夫婦」です。当薬局でも、状況をお聞きしたうえで「スケジュールとしてはこうした方がいいですよ」アドバイスはします。ただそれは、アドバイスであって「神の声ではありません」。自分のライフスタイルや考えに合せていいんです。

基本となる検査を受けて、あとは自然妊娠を目指す、そういう方もおられます。それも一つの考えです。間違いではありません。当薬局としては、夫婦の考えを尊重していきたいと思っています。

4:計画を立てると心が落ち着く

「3年後どうしよう、5年後どうしよう・・・」そんな不安感で夜もぐっすりと眠られない。やりたいことがあまりにも多く、ため息が出るかもしれません。そんな眠れない夜にお勧めしているのは、1年間のやりたいことリスト。

病院の治療とは関係なく、この1年でやりたいことを書いてしまいます。旅行でもいいです、演劇鑑賞?実家に帰る予定でもいいですよ。その上で取捨選択して、治療を受けながらできること、できないことを考えていきます。不妊治療も、家庭がバタバタしている状態よりも家庭・夫婦が平穏であれば負担も少なくなります。いずれにしても、計画を立てることでしなければいけないこと、が見えてきます。すべてを犠牲にして不妊治療、よりも心に余裕を持たせた方が、最終的にはストレスや心のバランスがうまくとれて、授かる確率も高くなると私は考えています。

そして、真面目な女性に多いのが、この計画表通りにしなければ、という責任感。もし、考え方が変わったら、その計画表は丸めてゴミ箱へ捨てればいいんです。また別の計画を立てましょう。計画を立てることで、これから何をやらなくてはならないのか、何をしなくてもいいのかという事を確認することがポイントです。そして一番のメリットは、自分の考えを整理することで、ご夫婦間の、ご両親・職場の理解や協力を得られやすくなることです。

5:ご主人は思ったよりもナイーブ

男性のEDは、排卵日を知った時から始まる」 ある不妊症の勉強会での講師の言葉です。

一緒に協力をしようと思っていても。「今日は排卵日だから早く帰ってきてね!」の台詞が頭の中でグルグルと回ります。 奥様が「不妊治療を頑張っている」のはわかるのですが。サポートしたい、一緒に頑張ろう。そう思っていても「プレッシャーを受けると立たない」。これが20代ならまだまだ大丈夫なのですが、仕事もストレスも大きい30代。肉体的にもやや疲れが見えます。イライラした奥様から追い打ちをかけるように「あなたダメね」と言われてしまうと?もう本当にダメになってしまいます。

EDは複雑な症状です。仕事(肉体的・精神的疲労)や睡眠不足、食生活(生活習慣病)でもプレッシャーでも立たなくなります。奥様はぜひ「自信をなくさないように」うまくエスコートしてあげてください。

ご主人の心の変化、その前兆を察知すればいいのか。それは排卵日の時に「たまたま」残業が入ってしまうことが多くなると要注意と思ってください。そんなときはすぐにでもご主人をフォローしましょう。夫婦関係が気まずいと、授かる赤ちゃんも・・・気まずくてなかなか子宮に降りてこれませんよ。

6:たまには息抜きしてもいいんです

「今日送別会があってビールを飲んだのですが、、、」「誕生会でケーキをもらって・・・」「友達の結婚式で、、、」 毎日では困りますが、特別な日、たまには息抜きがあっても問題ありません。その1回でいままで頑張ってきたことが無駄になる、そんなことはありません。

ただ、不妊、子宝を授かるという、目指すものはありますから、毎日、砂糖やカロリーを過剰に摂取、は勘弁してください。日常生活、生活習慣を律したうえで、たまには息抜きをしてもいいんです。けど、煙草は禁止です。

7:誰もが一度はくじけそうになります

不妊症の治療をしよう、そう思い始めるのは、30代以降が大半。ニュース・週刊誌などの「卵子は老化する」「残された時間が少ない」などの報道を見て急に焦りが出てきます

友達の出産を聞いて「なぜ私だけ」「なぜこうなることを見越せなかったのか」悲しみや、怒り、辛さがわき上がって来ることもあります。「本当に授かるのだろうか」「この不妊症の治療は、無駄なことをしてるのだろうか」という不安に押しつぶされてしまいそうになることもあります。

しかし、追い詰められる、不安になるのはアナタだけではありません。誰もがくじけそうになります。そういうものなんです。投げ出す必要はありません。一緒に頑張りましょう。

目次