漢方にもアレルギー成分は含まれます

漢方の処方にもアレルギー成分が含まれていますという話。漢方も食品から出来ていますので当たり前といえば当たり前なのですが、意外と忘れてしまいます。もちろん、ドラッグストアで売られている医薬品にも健康食品にも、薬局で処方される医薬品にもアレルギー成分は含まれる可能性があります。

[st-minihukidashi fontawesome=”” fontsize=”” fontweight=”” bgcolor=”#FFFF00″ color=”#000000″ margin=”0 0 20px 0″]現在服用している薬が気になる!という場合は処方された薬局・病院でお尋ねください[/st-minihukidashi]

目次

アレルギー成分は漢方に含まれる?

漢方では今現在「粉薬」が主流です。生薬を煎じたエキスがそのまま粉になるわけではなくて、色々な方法で乳糖などを添加して形作ります。羊羹を作るのにゼラチンを使うようなもので添加することに問題はありません。

ただ、アレルギーと考えると、添加剤も一緒に調べる必要があります。

生薬のアレルギー成分

食品のパッケージ裏の表記には食物アレルギーについてしっかりと書かれています。絶対に書く必要があります。

表示されているアレルギー物質には、必ず表示されるもの7品目と表示が勧められているもの20品目があります。特に必ず表示されるものを「特定原材料」といい、患者の方の数が多い乳、卵、小麦、えび、かにと、重篤な症状に至ることが多いそばと落花生の7品目が指定されています。食物アレルギーねっと

医薬品・健康食品の場合も、パッケージ裏や添付文書にしっかりと記載はされているのですが、、、。そこまで注意されることが少ないと思います。特に漢方の場合は生薬の名称が独特なので・・・(^-^;;;;

ひとまず「特定原材料」を表にしてみました。処方名は有名な処方のみピックアップしています。

患者さんにお話しするとびっくりされますが、卵を使う処方もあるんです(^-^;;;;  卵黄を鶏子黄、卵白は鶏子白、卵殻膜は鳳凰衣といいます。黄連阿膠湯は鶏子黄を最後に溶かす感じ、、、作り方は卵酒のようなイメージですね。※粉薬の場合はすでに混合されています。

アレルギー物質 生薬名 含まれる処方名(例)
ランオウ・鶏子黄
※卵の黄色の部分
排膿散・黄連阿膠湯
小麦 ショウバク・神麹(シンキク)・神曲
※小麦とフスマなどを発酵させたもの
保和丸・大山楂丸(晶三仙)
加味平胃散・甘麦大棗湯
大豆 タンズシ 天津感冒片・銀翹散(銀翹解毒片)
涼解楽
やまいも 山薬(サンヤク) 八味地黄丸・六味地黄丸・参苓白朮散
啓脾湯(その他多くの処方に含まれます)
ゼラチン 阿膠(アキョウ) 温経湯・婦宝当帰膠・黄連阿膠湯
猪苓湯・芎帰膠艾湯
ゴマ ゴマ 消風散
外用薬の紫雲膏にも含まれます
カニ 津蟹(サワガニ) 伯州散

参考:中医臨床のための中医学 神戸中医学研究会出版/医食同源アラカルト/東方栄養新書/小太郎製薬通信

添加剤のアレルギー成分

添加剤として乳糖が含まれている場合があります。乳糖は「乳」と書かれていますが牛乳アレルギーの方でも服用することは出来ます。表示上は「乳由来です」と書かれていますが、アレルギーを引き起こす牛乳蛋白はほぼ含まれていません。ただし、かなり過敏な方は医師とご相談を。

乳糖不耐症(ラクターゼの分解酵素が少ない方)の場合ですが、こうした医薬品は服用量が少ないのでほぼ問題が無いようです。

牛乳アレルギーは食物アレルギーの一種で、牛乳などに含まれる「カゼイン、乳清タンパク(α、β-ラクトグロブリンなど)」をアレルゲンとします。 乳糖は二糖類であるラクトースであり、牛乳アレルギーの方にも使用できます。 また、乳糖は加工食品中に甘味剤として添加されており・・・(後略) ファルマスタッフBLOGより

その他、製造工程によりトウモロコシデンプン・ステアリン酸マグネシウム・メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが含まれています。造粒法にも種類があり、それに応じて適切な添加剤が選ばれています。

粉薬に比べて、丸剤は造粒するのが難しいので、添加剤の種類が多いです。また丸剤の中でも裸錠(コーティングしていない)であれば比較的、添加剤は少なくなります。詳しくは製剤学(造粒の種類)をGoogleで検索してみてください。

煎じ薬なら大丈夫?

漢方の話に戻りますが(^-^;;;; 煎じ薬ならアレルギーのある成分を減らせるので大丈夫・・・。確かにそうなのですが、漢方・漢方薬局などはアレルギーを専門としない限り、意外と雑です。雑はいいすぎですが、包丁・トングは共用しない、洗浄をしっかり、空間を分ける。アレルギーに対して厳しく対応してきた飲食業界に比べては緩いです。飲食業界と同等のつもりで考えると困ったことになります。

シビアなアレルギー症状を持っているならば、煎じ薬だったとしても気をつけられた方がいいかもしれません。

まとめ

参考にするサイト

このセクションでは漢方とアレルギーをザックリと記載しました。アレルギーについて参考にしたサイトは下記になります。

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この記事を書いた人

福田優基のアバター 福田優基 薬剤師/国際中医師

ゆうき先生:漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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