「風邪について」のよくある質問にお答えします

「風邪について」よくある質問

<参考資料:引用・参考資料については最下部に記載>

風邪ってなに?

風邪の定義は「くしゃみ・鼻水・セキ」があって「発熱・全身のだるさ」がある症状です。ほとんどの場合はウイルス感染です。有名な「インフルエンザ」もウイルス感染で、風邪の一種です。風邪が長引く場合、咳だけ止まらないという場合(1週間以上咳だけ続く)には菌による肺炎の疑いもありますので、受診するようにしてください。 

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どうして冬に風邪がはやるの?

夏と冬とでは流行するウイルスの種類に差があります。冬のウイルスが好むのは、「低湿度・低温」です。さらに「締め切った部屋」もウイルスが繁殖感染するのに最適な環境です。「低温による免疫力の低下」も加わって、冬に風邪が流行することになります。 

養生法として、喉の粘膜の弱い赤ちゃんやご高齢の方のいる部屋は「加湿機」で適度(60?80%)に過湿しつつ、部屋を暖めることが大切です。加湿器がない部屋でも絞ったれタオルを部屋に干しておくだけでも違います。

風邪の急な高熱に注意

インフルエンザの症状は、急な高熱(39?40℃)、そして全身の倦怠感・筋肉痛です。セキなどは強くありません。「普通の風邪と違って急に悪くなった」ならばインフルエンザの疑いもあります。高熱が続く場合は病院にすぐに受診しましょう。

タミフルなどの抗ウイルス薬がありますが、基本的にインフルエンザは自宅でゆっくりと養生していれば治る病気。無理に出歩かず、部屋でゆっくりと休むのが一番です。

風邪のときの入浴は?

昔は入浴禁止という考えが主流でしたが、現在は「長時間にならないならばOK」というのが主流です。さっと入って、湯冷めをしないうちに就寝するのが重要です。しかし、高熱(38℃以上)の場合は避けたほうがいいようです。

解熱剤はいつ飲ませればいいの?

 発熱しているとき、体の免疫機能は活発的に働いています。安易に解熱剤を服用してしまうと、治癒が長引くことになりかねません。一例として、「とても消耗しているとき」「38℃以上のとき」「発熱により良く眠れない、もしくはうなされるとき」など、明らかなメリットのあるときに服用するようにします。

小児の場合、インフルエンザ脳症の恐れがありますから、「メフェナム酸」(ポンタール等)、「ジクロフェナクナトリウム」(ボルタレン等)を含む解熱剤は使われなくなりました。家に残ってるから・・・といって使うのは避けましょう。

****脳炎・脳症の兆候****

  • 悲鳴をあげ、おびえたように泣き叫ぶ。
  • おんぶのときママの背中につかまれない。立っちできていたのにできない。
  • 嘔吐を繰り返しながら、眠り続ける。呼びかけに反応するものの、目を開けていられない。

お医者さんで抗生物質をもらったのですが

風邪を引いたときにお医者さんでもらえる抗生物質は「抗菌」のお薬。風邪などのウイルスには効きません。

子供の風邪に抗生剤は必要?
こちらのサイトに詳しく解説されていますので、参照してください。
社団法人日本呼吸器学会
こちらにもガイドラインが記載されています。

安易な服用は耐性菌をつくりますし、眠気やふらつきが出る場合も。
もちろん、糖尿病・心疾患の方など、二次感染防止のための抗生剤が必要な方もおられますのでご注意。

総合感冒薬は効くの?

 ベンザブロック、コンタック、ストナ・・・と総合感冒薬の数は非常に多いですね。総合感冒薬は「セキ・鼻水・のどの痛み」の症状を抑えるお薬です。最近は持続タイプといって、1錠で半日以上効果があるものもでてきました。眠気などが出やすいため、車に乗るときや神経を使う仕事の場合は注意しましょう。症状ごとに特化したお薬もあります。

総合感冒薬と栄養ドリンクと一緒に飲んでいい?

市販の栄養ドリンクにはカフェインが入っています。相互作用によって頭痛が起こる場合がありますから、一緒に飲まず、2~3時間あけましょう

アレルギーがあるんですが・・・

 消炎酵素の「塩化リゾチーム」は卵由来成分ですから、卵アレルギーの方は飲まないほうがいいでしょう。イソプロピルアンチピリンは「ピリン疹」という湿疹を引き起こす可能性がありますから薬を服用して湿疹が出た場合、すぐに病院へ行きましょう。服用前には薬剤師に必ず確認すること、また服用可能な薬のケースや添付文章を見せて相談しましょう。

マスクをしているけど効果はあるの?

ウイルスはごく小さい粒子ですので、通常のマスクは簡単に通過してしまいます。マスクは、冷たい風や埃が喉に直接当たり、粘膜が傷つくのを防ぐ意味合いが強いといわれています。

ビタミンCが風邪に良いと聞いたけど?

 経験論では多少効果があるといわれています。風邪の初期に一日あたり500mg~1000mgといわれています。が、ビタミンは複合して効果を現すため、バランスの良い食事も重要です。

板藍根って聞いたけど?

 アブラナ科のホソバタイセイ(板藍根)は、中国で使用されているハーブです。抗ウイルスや熱を冷ます作用があります。粉末にしたお茶を風邪の初期に服用するといいと言われています。

当店では帰宅後、板藍茶を水に溶かしてうがいをしながら服用されることをお勧めしています。授乳期や妊娠中のお母さん、お子様にもお勧めできます。

SARSが流行したとき、中国の厚生省に当たる機関がSARSに効果的と発表したため日本でも品薄になりました。

参考:日経DI 2003/02/14「風邪患者への服薬指導」
NHK今日の健康 1999/02
漢方調剤研究 2001/01

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この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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