EDの原因は、加齢・喫煙・高血圧や糖尿病や肥満などの既往症・心因性(ストレス)・前立腺肥大などがあります。
漢方薬局の店頭では「不妊症治療に伴ってのストレス」や「高齢による性機能低下」の相談が多いように感じます。
40代の男性、夫婦で不妊治療中。ここ数年精力が弱い、仕事で疲れているからかもしれない、というED(勃起不全)の相談がありました。漢方で対処を希望していましたが、会社の健康診断で高血圧を指摘されて、西洋薬を継続服用していました。
意外と知られていないのですが、生殖関係とは関係ない西洋薬でも「性機能の減退」が起こる可能性があります。これを薬剤性のEDと呼びます。資料をまとめていましたので、メモ代わりにアップします。
EDの副作用がある処方薬リスト
EDが「必ず起こるとは限りません」が、注意した方がいい西洋薬をリストにしています。薬剤師さんがみる添付文書には性欲減少や勃起力の低下などの副作用が記載されています。EDが気になる場合は処方された薬剤師さんか医師の診察時に別の処方への変更を相談してみましょう。
上記の方はCa拮抗剤(ノルバスク)を服用していたので念のため処方医に相談してもらいました。
分類 | 代表的な製品名 | |
降圧剤 | 利尿薬(サイアザイド系・スピロノラクトン) | フルイトラン・ベハイド |
Ca拮抗剤 | アムロジン・ノルバスク・アダラート・カルブロック | |
交感神経抑制薬(α1遮断薬など) | カルデナリン・ミニプレス・エブランチル | |
β遮断薬 | カルピスケン・ミケラン・インデラル | |
精神神経用薬 | 抗うつ薬 | ドグマチール |
抗精神病薬 | ||
催眠鎮静薬 | バルビツール系 | |
ホルモン剤 | エストロゲン製剤 | |
抗アンドロゲン薬 | ||
LH-RHアナログ | ||
5α還元酵素阻害薬 | プロペシア(フィナステリド) | |
抗潰瘍薬 | スルピリド・メトクロプラミド・シメチジン(タガメット) | |
脂質異常治療薬 | スタチン系 | メバロチン・ローコール・リピトール・リバロ |
フィブラート系 | ベザトール | |
呼吸器 アレルギー |
ステロイド | |
テオフィリン | テオドール | |
β刺激薬・抗コリン薬 | ||
抗ヒスタミン薬 | アレルギン・レスタミン | |
プソイドエフェドリン | ||
その他 | NSAIDs | 通常の痛み止め |
※注意して記載していますが、間違いがありましたらお知らせください。
引用:日経DI、PE040 2017.04
参考: EDのリスクファクター
ED(勃起不全)に使う漢方薬とは?
20代のEDと50代のEDとは原因が全く違いますよね。すごくざっくりですが、漢方では年代に合わせて下記のようにも考えられます。
20~30代 | 「腎」は元気でも、生活の乱れ(睡眠不足や食生活の不養生「脾胃の不調」)が強くなる。 胃腸が弱い・すぐに胃もたれを起こす・太られない・睡眠不足。 | 温胆湯・六君子湯・補中益気湯・平胃散 |
30~50代 | ストレスや緊張から「肝」が不安定に(仕事の疲労なども強くなる)+だんだんと勢力も衰えていく+接待や食生活の乱れで「湿」がたまる。 | 逍遥丸・瀉火利湿顆粒・温胆湯・柴胡疎肝湯など |
40代~ | 毎日がだるい、疲れやすい、頻尿・火照りや逆上せ、冷えなどが強い、 漢方では「腎陰虚・腎陽虚」と言われる「虚」によるもの、何かが少なくなっている状態によって起こると考えられます。漢方で足してあげつつ、即効性のある処方、例えばバイアグラと併用をお勧めすることも。 | 瀉火補腎丸・海馬補腎丸・至宝三鞭丸・杞菊地黄丸・参馬補腎丸・八味地黄丸など |
もちろん、体調や体質を問診したうえで漢方処方は検討しますので、漢方処方はご相談の上で服用するようにしてください。
不妊症・男性不妊相談の場合は、専門病院での精子検査もお願いしています。無精子症・乏精子症は射精が出来るので「自覚症状が無い」からです。もし病院が無い、ご主人の帰りが遅いなどの場合は自己検査キットなどをお勧めしていますので、また別のセクションに記載します。
↓↓EDと漢方についてはこちらにも書いていますので、ご覧ください↓↓
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