喉の痛み・声がれ、といえばどの漢方?

喉の痛み、声が出ない、声ガレ。病院や市販薬では「痛み止め」。

「ロキソニンにしますか、イブにしますか?」そんな選択肢ですが、漢方の場合は状況に応じて色々とあります。西洋薬の場合は「ひとまず痛みをカットしましょう」ということですが、漢方の場合はそれの原因を改善することで、痛みを解消します。もちろん、西洋薬と併用することも可能です。

よく使う処方をまとめてみました。一番左の列が処方名です。配合生薬はメインと成る生薬名で、辛温解表薬、清熱解毒薬、滋陰生津薬はピックアップしました。

処方名 配合生薬 辛温解表 清熱解毒 滋陰生津
響声破笛丸料
きょうせいはてきがんりょう
桔梗・薄荷・縮砂
川芎・訶子・阿仙薬
連翹・甘草
駆風解毒散
くふうげどくさん
桔梗・石膏 荊芥・防風
羗活
連翹・牛蒡子
甘草
銀翹解毒散
ぎんぎょうげどくさん
天津感冒片
てんしんかんぼうへん
薄荷・竹葉・ロコン
桔梗・豆豉
荊芥 連翹・牛蒡子
甘草・羚羊角
金銀花
麦門冬湯
ばくもんどうとう
半夏・大棗・粳米 甘草 麦門冬
人参
養陰清肺
よういんせいはい
牡丹皮・芍薬・薄荷 甘草 麦門冬・地黄
玄参

響声破笛丸料は声優さんも使う声ガレの処方。本当に声の出し過ぎで枯れた場合です。

駆風解毒散は辛温解表薬が含まれていることから、風邪の時のゾクゾク寒気がしつつも、喉が痛い症状。店頭で感じる部分では、他の処方と併用する方がいいかもしれません。

銀翹解毒散(天津感冒片)は熱を押さえる生薬がしっかりと含まれているため、風邪で喉が痛む、発熱もある(もしくは声ガレでも炎症を起こしてしまって喉が腫れている)ときに使います。響声破笛丸料を使うよりもこちらを使った方がいいかな?というときもあるぐらいです。

少し毛色が違いますが、麦門冬湯と養陰清肺は滋陰生津の処方です。乾燥感による声ガレで、秋口、乾燥するシーズンにもいいですね。麦門冬湯は口腔乾燥症(ドライマウス)に使ったりもあります。色々な処方がありますが、うまく組み合わせて使えるといいと思います。ご相談下さい。

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この記事を書いた人

福田優基のアバター 福田優基 薬剤師/国際中医師

ゆうき先生:漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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