やけど・傷跡を治す漢方処方、紫雲膏(軟膏)

傷跡を消すというクスリを聞いたのですが、、、」と店頭で相談を受けました。「あー、たしか薬局関係の雑誌に載っていたなー」とGoogleで調べてみたところ「アットノン(小林製薬)」とのこと。傷跡が残らないから、アットノン、小林製薬さん名前の付け方がさすが。

アットノンですが、内容成分の基本的な部分(有効成分)はヘパリン類似物質。この成分は血行を促進し、水分保持作用をよくします。昔はゼリア製薬からヘパリンという名称で発売されていましたし、病院からの処方薬として有名な類似品はビーソフテンでしょうか。(もちろん、完全に同一ではありません)

漢方でも同じように傷跡を消したりやけどを治したりする漢方処方があります。

紫雲膏

漢方の軟膏の紫雲膏は、くっさい独特のニオイがしますが、良く効きます。

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子供のヤケドが筋に残った、綺麗に治したい

12歳の女の子ですが、二の腕にヤケドをしてしまいまして、お母さんからご相談がありました。ヤケドをしたのは1~2週間前なのですが、まだちょっと赤みが引かない。お湯でのヤケドで、それほど酷くはないのですが気になるということでした。  皮膚は再生しかけていましたが、カサカサと弱い皮膚の状況でしたので、しばらくの間、紫雲膏をお勧めしてそのうちキレイになりました。

※ ヤケド(火傷)は「どの程度の温度が」「どの程度の時間接触したか」で症状が代わり、Ⅰ~Ⅲ度までで表わします。日焼けとか油が跳ねたとか軽いのがⅠ度です。水疱が出来そうなのがⅡ度。かなりの火傷で、見た感じもまず救急病院に運ばれそうなのがⅢ度です。(Ⅲ度はすぐに救急車を呼んでください)

軽度のヤケドの場合。ヤケドをした直後は10分ぐらい流水で冷やします。それほど酷くない場合、紫雲膏だけベッタリと塗ってOKです。紫雲膏は皮膚の再生を促進し、チリチリとした痛みも軽減します。ただ、紫雲膏もアットノンもですが、短期的に瘢痕になった状態を戻すわけではありません。

虫さされのひっかき傷跡を早く治したい

農家の70代女性。夏の暑い時期、藪蚊が発生して、ちょっと農作業したら刺されては「かゆいかゆい」。もともと皮膚が弱かったらしく、蚊に刺されたら一日目よりも二日目のほうがプックリと腫れて、ひっかき傷で酷いことになるらしいです。いつでもウナコーワだったらしいのですが「ウナ?効かない(=_=;;; なんとかならないの?」とのことでご相談を受けました。ステロイドを塗るにしては毎日ですし、、ということで今年は太乙膏軟膏とベルクミン(中黄膏)をお勧めしたところ大当たりで。赤い痕が早く消えていいわー、と大満足でした。

漢方の軟膏は上手に使えば、良い効果がありますので、ぜひご活用下さい。

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この記事を書いた人

福田優基のアバター 福田優基 薬剤師/国際中医師

ゆうき先生:漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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